富士フイルム、軟包装印刷市場を対象とした水性インクジェットデジタルプレス「Jet Press FP790」を発売

・多品種・小ロット印刷に対応し、高い生産性を実現

 富士フイルムは3月25日、インクジェットデジタルプレス「Jet Press」シリーズの新ラインアップとして、軟包装印刷市場を対象とした水性インクジェットプレス「Jet Press FP790」を発売すると発表した。

 「Jet Press FP790」は、食品や日用品などの軟包装の多品種・小ロット印刷に対応し、高い生産性を実現する。なお、富士フイルムが、軟包装印刷を可能とする水性インクジェットプレスを市場投入するのは、今回が初めて。

 食品や日用品などの軟包装印刷市場では、絵柄ごとに版を作成する、フレキソ印刷※1やグラビア印刷※2などの同じ絵柄の大量印刷に向いたアナログ印刷が一般的。一方、インクジェットをはじめとするデジタル印刷は、版の作成が不要で、絵柄データを印刷機に直接送って印刷できることから、多品種・小ロットでの絵柄印刷を可能とし、顧客からのニーズに柔軟に対応できる。

 富士フイルムは、2011年にインクジェットデジタルプレス「Jet Press 720」(現在は「Jet Press 750S」を後継機種として販売)を、他社に先駆けて世界の商業印刷市場に導入し、オフセット印刷を凌駕する高画質を実現さる。富士フイルムは、商業印刷市場で培ったインクジェットの知見や機器の販売ノウハウなどを生かし、今回新たに軟包装印刷向けに「Jet Press FP790」を市場導入する。

 「Jet Press FP790」は、軟包装の多品種・小ロット印刷に対応した水性インクジェットプレスで、最大790mm幅のフィルム基材※3に対して毎分50mでの高速印刷を可能とし、高い生産性を発揮する。

 また、CMYK※4各色のプリントヘッドに加え、2組の白色プリントヘッドを搭載した。これにより、パッケージの見た目を大きく左右する、カラー印刷の下地色となる白色の濃度を向上させ、カラーインクの発色性を高めることが可能。色鮮やかな印刷を実現する。さらに、印刷前の基材に処理液を塗布する機構を搭載し、撥水性のあるフィルム基材に対しても高いインク密着性を付与する。このほか、1200 dpi × 1200 dpiのプリントヘッドにより、高解像度での印刷が可能。

 富士フイルムは、今後も、デジタル化が加速する印刷市場に対して、画期的な製品を開発・提供し、世界の印刷産業の発展に貢献していくとしている。

 なお、同製品は、5月28日(火)から6月7日(金)にドイツ・デュッセルドルフで開催される国際印刷・メディア産業展「drupa 2024」の富士フイルムブースにて出展予定。

※1 柔軟なゴムや樹脂で作られた版にインクを付着させ、紙やフィルムなどの印刷基材に転移させる凸版印刷の一種。
※2 絵柄が彫り込まれた「版の凹み」にインクを転移させ、紙やフィルムなどの印刷基材に転写させる凹版印刷の一種。
※3 本商品の対応基材はBOPPフィルム・PETフィルム。
※4 Cyan(シアン)、Magenta(マゼンタ)、Yellow(イエロー)、Black(ブラック)の色。

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