日揮グローバル、JAXA「月面推薬生成プラント」地上実証で詳細設計・要素試験を受託

・月面水資源活用に向けたプラント技術開発を加速、2030年代の月面実証を視野

日揮ホールディングス傘下の日揮グローバルは7月22日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が実施する企画型競争入札事業「月面推薬生成プラントの実現に向けた地上実証プラントの詳細設計及び要素試作試験等」に採択されたと発表した。月面の水資源を活用して燃料などの推薬を生成するプラント実現に向け、地上実証設備の詳細設計や水抽出プロセスに関する要素試験を進める。

米国の「アルテミス計画」に代表される国際的な月面開発の進展を背景に、月面資源の利用技術への関心が高まっている。JAXAは「国際宇宙探査シナリオ案2025」において、将来的な月面での水資源利用に向け、2020年代に月面推薬生成プラントの概念検討や要素技術開発、地上実証を実施し、2030年代には月面実証プラント建設に着手、2040年までに本格稼働を目指す計画案を示している。

今回の日揮グローバルの採択は、この月面資源利用構想の実現に向けた取り組みの一環となる。

■地上実証プラントの詳細設計を推進

日揮グローバルは2018年から月面開発に関する技術検討を開始。2021年6月にはJAXAと「月面推薬生成プラントの構想検討に係る連携協力協定」を締結し、月面の水資源を利用した推薬生成プラントの概念検討を進めてきた。

これまでに、プラント実現に必要となる技術要素や研究課題を整理するとともに、研究開発計画の策定などを行っている。

今回の業務では、2025年度に受託した地上実証プラントの基本設計業務で得た成果を活用し、より具体的な設備仕様や開発計画の策定に踏み込む。

主な実施内容は以下の通り。

■地上実証プラントの詳細設計
・実証プラントの設計仕様、開発計画の検討
・運用に伴うリスク評価
・地上実証環境の構築検討
・海外宇宙機関との共同検討に向けた技術支援

■水抽出プロセスに関する要素試作試験
・水抽出実験に使用するレゴリス試料(月面砂)の調製・保管方法の検討
・含水レゴリスからの水抽出実験

日揮グローバルは、これらの検討結果を2027年3月31日までにJAXAへ提出する予定である。

EPC技術を宇宙分野へ展開

日揮グループは1928年の創業以来、プラント・設備の設計、調達、建設(EPC)事業を中核に、世界各地で2万件以上のプロジェクトを遂行してきた。

今回の月面推薬生成プラント開発では、寒冷地や砂漠など過酷環境下でのプラント建設・運営で培った技術力やプロジェクト遂行能力を活用する。

同社は2026年5月に策定した新中期経営計画「BSP2030」において、「一歩先のソリューション提案により、顧客とともに課題に挑む」姿勢を掲げている。今後もEPC分野で蓄積した技術・ノウハウを宇宙探査領域へ展開し、JAXAが描く将来的な月面利用シナリオの実現に貢献していく方針である。

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