キオン・グループ(KION GROUP AG):2026年7月30日
キオン・グループは7月30日、2026年12月期上期(1~6月)決算を発表した。インテリジェント・オートメーション・ソリューションズ事業の好調を背景に増収増益を達成した。一方、受注高は前年同期に大型案件が集中した反動で減少したが、収益性は改善した。併せて、次世代サプライチェーンロボティクスへの投資や2026年通期業績見通しの修正も発表した。
上期の受注高は57億9,400万ユーロ(約1兆833億円、1ユーロ=187円換算)で、前年同期の62億600万ユーロから減少した。売上高は56億8,700万ユーロ(約1兆635億円)と前年同期比3.5%増加した。
調整後EBIT(営業利益)は4億2,960万ユーロ(約803億円)で前年同期比12%増となり、調整後EBIT利益率も7.6%と前年同期の7.0%から改善した。純利益は2億760万ユーロ(約388億円)となり、前年同期の4,790万ユーロ(約90億円)から大幅に増加した。フリーキャッシュフローは2,220万ユーロ(約42億円)の黒字を確保したものの、M&A関連支出や前年実施した効率化プログラムの支払いにより前年同期の1億6,190万ユーロから縮小した。
ロブ・スミス(Rob Smith)最高経営責任者(CEO)は、「経済・地政学リスクが高まる環境下でも堅調な上期となった。両事業セグメントで収益性が向上し、インテリジェント・オートメーション・ソリューションズ事業は18%の増収を達成した。顧客需要は依然として力強く、多様な産業から安定した受注を獲得している」とコメントした。
セグメント別では、インダストリアル・トラック&サービス(Industrial Trucks & Services)事業の受注高は39億8,200万ユーロで前年並みだったが、売上高は40億7,900万ユーロと微減となった。一方、インテリジェント・オートメーション・ソリューションズ(Intelligent Automation Solutions)事業は売上高が16億2,900万ユーロと前年同期比18%増加。過去数四半期に獲得した大型プロジェクトが売上計上されたことが寄与した。調整後EBITも1億600万ユーロと前年同期比35%増加し、利益率は6.5%へ改善した。
また、キオンは次世代サプライチェーンロボティクスの開発強化に向け、ベルギーの小売大手コルライト(Colruyt)の研究開発子会社スマート・イノベーションNV(Smart Innovation NV)の株式70%を取得した。投資対象は、自律走行式パレットトラックで、高精度な倉庫内搬送に加え、トラックへの自動積み込み・積み降ろし機能を備える。既にコルライトの物流センターで2年間稼働実績があり、今後はキオンの各ブランドを通じて幅広い産業分野へ展開する。
2026年通期見通しについては、上期実績と受注残高を踏まえ、売上高、調整後EBIT、投下資本利益率(ROCE)の予想レンジを従来予想の範囲内で絞り込んだ。また、フリーキャッシュフローについても予想レンジを見直し、下限をやや引き下げた。
キオンはフォークリフトなど産業車両、自動倉庫システム、AI活用ソリューション、物流ソフトウエアを手掛ける世界有数の物流ソリューションメーカー。2024年の販売台数ベースではEMEA(欧州・中東・アフリカ)地域最大の産業車両メーカーであり、中国市場では海外メーカー首位、国内メーカーを含めても第3位のシェアを持つ。倉庫自動化市場でも2024年売上高ベースで世界首位となっている。2025年末時点で世界6大陸に200万台超の産業車両が稼働し、従業員数は約4万2,000人、2025年売上高は約113億ユーロを計上した。
コメントを投稿するにはログインしてください。