・約250万ユーロ投資で開発高度化
リープヘル(Liebherr ):2026年7月30日
リープヘル・フランス(Liebherr France SAS)は、フランス・コルマールの開発・生産拠点にクローラーショベル向けの新たな試験設備を導入した。約250万ユーロ(約4億6,800万円、187円換算)を投じた設備で、実際の建設現場で受ける負荷を短期間で再現し、耐久性や性能向上、さらに自律運転建機の開発加速につなげる。
リープヘル・フランスは2026年初め、フランス・コルマールにある開発・生産拠点でクローラーショベル向けの新試験設備の稼働を開始した。同設備は、顧客に提供するクローラーショベルの性能や堅牢性を継続的に向上させる取り組みの一環として整備されたもので、開発部門に隣接して設置することで、課題の発見から改善策の実装までの期間を大幅に短縮できる。
新設備では、建設現場で機械が受ける振動、ねじり荷重、衝撃、曲げ荷重などを高精度に再現し、構造部材の加速耐久試験を実施する。試験加速係数は17倍で、1時間の試験が実際の現場作業17時間分に相当する条件を再現できるため、構造上の弱点を早期に把握し、設計改善に反映できる。
試験条件は、さまざまな顧客現場で取得した実稼働データをもとに設定されており、高い再現性を確保。設計開発段階での評価に加え、その後は実機によるフィールド試験を実施して部品や構造の妥当性を検証する。
試験設備は屋内施設内に試験走路とトレンチを備える構成で、6メートルの防音壁を設置したコンクリート壁により、工業団地内の騒音基準にも適合している。
また、この設備はリープヘルの自律運転建機開発を推進する実証環境としても活用される。繰り返し試験を効率的に実施するため、試験機は自律運転に対応。試験中は作業員が現場に立ち入る必要がなく、外部の管制室から遠隔で運転・監視を行う。カメラシステムにより技術者が常時監視できるほか、安全対策として立入管理ゲートや各種センサー、ドア接点、レーザーセンサー、さらにGPSによる車両位置管理を組み合わせ、自律運転機が許可なく試験区域外へ移動しない仕組みを採用している。
同プロジェクトは技術部門が立ち上げ、試験部門が主導して推進した。設備建設には9か月の設計・計画期間と7か月の建設期間を要し、建設に使用した機械構造用鋼材の大半はコルマール工場の生産チームが自社製作するなど、現地の技術力を活用して完成させた。
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