クボタ、米国で大気造水装置の実証開始、2030年めどに分散型水循環システム商用化へ

クボタは7月22日、米国で深刻化する水不足への対応策として、大気中の水分から飲料水を製造する大気造水装置の実証試験を2026年8月から開始すると発表した。開発元のエアジュール(AirJoule LLC)と連携し、カリフォルニア州およびテキサス州で実環境下での性能や実用性を検証。排水処理・再利用技術と組み合わせることで、住宅地内で水の確保から排水処理、再利用までを完結する「分散型水循環システム」の構築を進め、2030年頃の商用化を目指す。

米国では人口増加や気候変動の影響により地下水の枯渇や水質汚染が深刻化しており、とりわけ南西部では水資源不足が住宅開発や地域成長の制約要因となっている。一方、従来型の上下水道インフラは浄水場や下水処理場、管路網の整備に多額の投資と長期間を要するため、水の確保から再利用までを地域内で完結する分散型水循環システムへの期待が高まっている。

今回実証するエアジュールの大気造水技術は、大気中の水分を回収・凝縮して飲用可能な水を生成するもので、地下水や河川など既存水源に依存せず、乾燥地域でも利用できることが特長。将来的なエネルギー効率向上による造水量拡大も期待されている。

クボタはこれまで培ってきた浄化槽や水処理システム、パイプシステムなどの技術に大気造水技術を融合し、「水を造る」「届ける」「処理する」「再利用する」を一体化した新たな水インフラソリューションとして展開する考えだ。

■プロジェクト概要

事業名:大気造水装置実証プロジェクト

実証場所:米国カリフォルニア州、テキサス州

実証期間:2026年8月~2030年(予定)

主な実証内容
・屋外環境での造水量、消費電力、水質、長期運転時の安定性評価
・飲料水としての安全性・安定性の検証
・米国NSF認証および各州認証取得への対応
・運転・維持管理(O&M)体制と販売体制の構築

役割分担
・クボタ:実証企画・推進、装置設置・運用管理、データ評価、O&M・販売体制の検討
・エアジュール(AirJoule LLC):大気造水装置の開発、技術支援、認証取得対応

商用化後は、販売提携契約に基づき、クボタが認証取得に携わった州においてエアジュール製大気造水装置を独占販売する計画。米国子会社のクボタ・ウォーター・アンド・エンバイロメントUSA(Kubota Water and Environment U.S.A. Corporation、KWU)を通じ、販売から運転・維持管理まで一貫したサービスを提供する。

クボタは北米で水環境事業の拡大を図るとともに、水資源制約の解決に向けた次世代の分散型水インフラの実現を目指す。

ニュースリリース