・年間420万トンの最新鋭熱延設備へ刷新
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は7月21日、中国宝武鋼鉄集団(China Baowu Iron & Steel Group)傘下の武漢鋼鉄(Wuhan Iron and Steel Co., Ltd.:WISCO)から、CSP(コンパクトストリッププロダクション)鋳造圧延ラインの全面改造工事を受注した。既設CSPラインを年間420万トンの生産能力を持つ最新鋭熱間圧延機(HSM)へ転換し、高付加価値鋼種の生産体制を強化する。
対象設備は2008年に稼働した第1世代の薄スラブ鋳造・圧延ラインで、垂直式連続鋳造設備、トンネル炉、7スタンド仕上ミルで構成される。WISCOは生産性や製品構成面での制約を解消するため、一部既設設備を活用しながら従来型熱間圧延設備へ転換する方針を決定した。
プライメタルズは主要技術パートナーとして、21カ月で改造工事を実施する。同案件は、2025年にドイツ・デュイスブルクのティッセンクルップスチール・ブルックハウゼン工場で完了した改造プロジェクトに続く、同社にとって2件目となるCSP設備から従来型熱間圧延設備への転換プロジェクトとなる。
■高付加価値鋼の生産能力を大幅拡充
新設備では、厚さ230ミリのスラブを生産する新設連続鋳造機から素材を供給し、新設するウォーキングビーム炉2基で再加熱する。さらに、大容量シングルスタンドリバース高圧下ミルや高圧下対応エッジャー2基、クロップシャー、デスケーリング設備などを新設する。
また、仕上ミルやラミナー冷却設備、ダウンコイラーも改造し、高品質な熱延鋼板の安定生産に対応する。
対象製品は先進高張力鋼板(AHSS)、高炭素鋼、配管用マイクロアロイ鋼、電磁鋼板など高付加価値鋼種が中心で、生産能力は従来設備の約2倍となる年間420万トンを計画している。
■高度な自動化システムを導入
プライメタルズは新設設備のエンジニアリングと主要機器を供給するほか、ライン全体のレベル1・レベル2オートメーションシステムを一括納入する。
上反り検出システム「Ski Expert」、板形状を補正する「Wedge and Camber Expert」、設備状態監視システム「Asset Life Expert(ALEX)」などの高度なプロセス制御技術を導入し、生産性向上と品質安定化、設備稼働率向上を図る。
■中国鉄鋼設備更新の重要プロジェクト
今回のプロジェクトは、中国で進む老朽化した圧延設備の更新を代表する案件の一つと位置付けられる。高付加価値鋼材の需要拡大に対応するとともに、WISCOの熱間圧延ラインの競争力強化を目指す。
両社の協力関係は1990年代に始まり、熱間圧延、連続鋳造、冷間圧延、電磁鋼板製造など幅広い分野へ発展してきた。今回の受注は、長年の技術協力をさらに深化させる取り組みとなり、中国における高付加価値鋼材の製造技術向上にも寄与するとしている。
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