日本精工(NSK)が7月30日に発表した2027年3月期第1四半期(2026年4〜6月)の連結決算は、産業機械事業やステアリング事業の伸長により、売上高が前年同期比30.6%増の2,556億3,800万円となった。営業利益は212.3%増の149億6,100万円、税引前四半期利益は199.4%増の146億5,300万円、親会社の所有者に帰属する四半期利益は795.6%増の97億100万円と、大幅な増収増益となった。
同社は2026年5月に、10年後に目指す姿を描いた「NSKビジョン2036」と、その実現への足掛かりとなる「中期経営計画2028」を発表した。「トライボロジーソリューションで理想の動きを共に実現する」を掲げ、軸受を中心とした機械部品ビジネスに加え、ユニット製品によるシステムの最適化提案や顧客課題解決型のソリューションビジネスへの移行を目指す。中期経営計画2028では、既存事業で安定収益を確保しつつ新事業・新領域で成長を続ける“Bearings & Beyond”のもと、「ポートフォリオ変革」「不断の構造改革」「適切な自己資本コントロール」に取り組んでいる。
なお、2025年9月1日付でステアリング事業を統括するNSKステアリング&コントロール(NS&C)を連結子会社化しており、今第1四半期の業績にはNS&C及び同社子会社の売上高・損益が含まれている。
■産業機械はAI関連投資の拡大追い風に大幅増益、自動車は横ばいも増益確保
産業機械事業は、AI関連投資の拡大に伴い工作機械・半導体製造装置向け需要が増加し、売上高は1,045億3,200万円(前年同期比17.2%増)、営業利益は81億300万円(同408.7%増)となった。
地域別では、日本は半導体製造装置・工作機械向け販売の増加により増収。米州は関税還付による減収影響があったものの売上は横ばい。欧州はアフターマーケット向け販売の低迷で減収となった一方、中国は工作機械・半導体製造装置向けを中心に販売が増加し増収となった。
自動車事業は、欧州・中国を中心に減収要因があったものの、円安の進行により売上高は988億6,300万円(同0.0%減)とほぼ横ばいで着地。営業利益は45億7,600万円(同37.7%増)と増益を確保した。
地域別では、日本は自動変速機用部品の販売減少により減収。米州は客先への関税還付の実施により減収。欧州は需要低迷が続き減収となった。中国は電動ブレーキ用ボールねじの販売が増加したものの、日本車の販売不振が響き減収となった。
新たに報告セグメントとなったステアリング事業の売上高は442億6,300万円、営業利益は15億7,000万円だった。
■通期見通しは上方修正
同社は2026年5月12日公表の2027年3月期通期の連結業績予想を修正し、以下のとおりとした(配当予想の修正はなし)。
売上高:1兆400億円(前期比14.1%増)、営業利益:500億円(同28.8%増)、税引前利益:480億円(同26.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益:290億円(同26.8%増)。
地政学的リスクや米国の関税政策、中国経済の低迷など不透明な経営環境が続く中、同社は既存事業の収益力強化と新領域への成長投資を両立させる方針を維持する。