ハイレックスコーポレーション(兵庫県宝塚市)は7月10日、国内自動車事業の競争力強化を目的とした国内生産体制再編の基本方針を決定したと発表した。2027年度から段階的に着手し、2028年度中の完了を目指す。現在13拠点で運営する国内生産体制を見直し、生産効率の向上や需要変化への対応力強化に加え、将来の成長分野へのリソースシフトを進める。
同社は、自動車用コントロールケーブルやウインドレギュレータを主力製品としてきたが、近年は海外市場を中心に複数製品を組み合わせたモジュール製品の需要が拡大している。国内でもドアモジュール製品の引き合いが増えており、新たな製品構成に対応できる生産体制への転換が課題となっていた。
一方、国内では需要構造の変化や人手不足の深刻化により、生産効率や稼働率の低下が顕在化している。これまでカーメーカーごとに工場を配置してきた結果、類似設備や機能が各拠点に分散し、生産負荷の平準化や需要変動への柔軟な対応が難しくなっていたという。
再編では、「製品別レイアウト」と「機能別レイアウト」の2つを柱に生産体制を再構築する。
製品別レイアウトでは、ケーブル専用工場、ウインドレギュレータ専用工場といったように製品ごとに生産を集約し、設備や人員配置を最適化することで生産効率の向上を図る。
また、機能別レイアウトでは、部品・部材を製造する前工程と製品組立を担う後工程を分離・集約し、各拠点の役割を明確化。工程ごとの専門性を高めるとともに、全体最適の観点から稼働率向上や負荷平準化を推進する。
さらに、再編によって生み出される工場スペースや設備余力については、各拠点の特性に応じてデポ機能や試験・評価機能などへ転用し、より柔軟で効率的な生産ネットワークを構築する方針だ。供給安定性やBCP(事業継続計画)、人材確保、将来的な工場拡張性なども総合的に評価しながら再編を進める。
同社は今回の再編により既存事業の収益改善と安定した利益創出基盤の確立を目指すとともに、単体製品中心の事業から複数機能を組み合わせたモジュール製品へ展開できる体制を整備し、中長期的な成長につなげる考えである。
また、生産移管や機能再配置に伴い、従業員のスキル拡大や適正配置を進め、人材基盤の強化にも取り組む。
具体的な再編内容は現在検討中で、業績への影響については精査を進めており、重要な影響が見込まれる場合には速やかに公表するとしている。