コマツが7月29日に発表した2027年3月期の第1四半期(26年4~6月)業績によると、連結売上高は1兆431億円(前年同期比14.7%増加)となった。建設機械・車両部門では、前年同期に比べて円安となった影響に加えて、販売価格の改善や販売量の増加により、売上高は前年同期を上回った。産業機械他部門では、自動車産業向け大型プレスの販売増加と半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は前年同期を上回った。
利益については、建設機械・車両部門でコストの増加などの影響はあるものの、円安の影響と販売価格の改善効果および販売量の増加により増益となった。リテールファイナンス部門と産業機械他部門では増益となった。この結果、営業利益は1,516億円(前年同期比8.0%増加)となった。売上高営業利益率は前年同期を0.9ポイント下回る14.5%、税引前四半期純利益は1,400億円(前年同期比6.7%増加)、当社株主に帰属する四半期純利益は962億円(前年同期比5.4%増加)となった。
コマツは、2025年4月より2028年3月期をゴールとする3カ年の中期経営計画「Driving value with ambition 価値創造への挑戦」の2年目を迎えている。成長戦略の3本柱として、①イノベーションによる価値共創、②成長性と収益性の追求、③経営基盤の革新 を掲げ、ありたい姿として再定義した「安全で生産性の高いクリーンな現場を実現するソリューションパートナー」を目指し、モノ価値およびコト価値の一層の進化に向けて活動を進めている。また、本中期経営計画ではESGに関する経営目標として掲げていた「ダウ・ジョーンズ・ベストインクラス・ワールド・インデックス」への選定を、このほど達成した。
◾中東情勢・米国関税の影響を見直し、通期業績予想を上方修正
コマツは、4月28日に公表した通期連結業績予想に対し、中東情勢の影響および米国関税の影響を見直すとともに、最新の市場見通しを反映し、売上高および利益を上方修正した。ホルムズ海峡封鎖に伴う代替輸送ルートを活用しており、平常時レベルの輸送力までは戻らないもののデリバリーは継続、プロジェクトも遅延は見られるものの継続しているという。中東情勢による売上減は当初想定の901億円から463億円に縮小した。米国関税については、122条追加関税が7月23日で失効し、301条追加関税が7月24日より適用となったこと、鉄鋼アルミ関税税率が6月8日より一部引き下げられたことなどにより、コスト増の影響は前回公表の378億円(損)から258億円(損)に縮小する見通し。
主要7建機(鉱山機械を含む)の2026年度第1四半期の世界需要台数は、前年同期比12%の増加。通期見通しは、4月時点の前年比0%~▲5%から、前年比0%~+5%に上方修正した。北米では需要が同11%増となり、データセンター等の非住宅やレンタル向け需要が堅調に推移。通期見通しも前年並みから0%~+5%に上方修正した。欧州でも4%増となり、ドイツ、英国、フランスを中心に公共投資が需要を牽引、通期見通しは0%~+5%で変更なし。アジアは4%増となったが、インドネシアの石炭向け需要は依然低迷しており、通期見通しは4月時点の▲5%~▲10%から0%~▲5%に上方修正した。日本市場では11%減となり、一般向け、レンタル向けともに需要が引き続き低調で、通期見通しは前年並みのまま変更していない。
また、鉱山機械は、中南米や北米での需要増などにより、第1四半期の売上高は前年同期比13.8%増の4,624億円(為替影響を除くと2.0%増)となった。アジアでの石炭向け需要減少や中近東での中東情勢の影響による減収を、中南米やアフリカの増収で補った形となる。通期売上高は前年比2.1%増の1兆9,447億円(為替除き0.3%減)を見込んでおり、通期需要見通しは4月時点の▲10%~▲15%から▲5%~▲10%に上方修正した。
建設機械・車両部門の部品売上高は、同18.4%増の2,865億円。アフターマーケットの売上比率は54%となった。通期では部品売上高が4.2%増の1兆999億円を見込む。
中東情勢や米国関税を巡る不透明感は残るものの、コマツは足元の状況を反映し業績見通しを上方修正した。
■部門別の概況
[建設機械・車両]
建設機械・車両部門の売上高は9,669億円(前年同期比14.4%増加)、セグメント利益は1,301億円(前年同期比6.4%増加)となった。
建設現場向け施工管理ソリューションのスマートコンストラクションⓇについて、日米欧豪でのICT建機の販売割合を示す「ICT建機化率」は31.1%となった。鉱山機械では、無人ダンプトラック運行システム(AHS)の累計導入台数が本年6月末時点で1,060台に達した。
2026年6月、ICT機能を搭載したSDV(Software Defined Vehicle)型の13トンクラス後方超小旋回油圧ショベル「PC128USi-12」と「PC138USi-12」の販売を開始した。同月には、20トンクラス油圧ショベル「PC200i-12 遠隔システム仕様車」と、対応する建設機械の遠隔操作システム「Smart Construction Teleoperation」の販売も開始した。シンガポールのチャンギ空港ターミナル5建設プロジェクトでは、施工管理デジタルソリューション「スマートコンストラクションⓇ」の本格導入を開始した。
■地域別の概況
<米州>
北米では、インフラやレンタル向けを中心に需要は堅調に推移し一般建機の販売が増加したことに加え、鉱山機械の販売増加や円安の影響により、売上高は前年同期比で29.5%増加した。
中南米では、銅需要が堅調に推移する中、チリなどで鉱山機械の販売が増加したことや円安の影響により、売上高は前年同期比で37.2%増加した。
<欧州・アフリカ・中近東>
欧州では、円安の影響により、売上高は前年同期比で11.6%増加した。
アフリカでは、金の需要の堅調な推移やインフラ工事需要の高まりを背景に、鉱山機械および一般建機の販売が増加したことや円安の影響により、売上高は前年同期比で31.6%増加した。
中近東では、中東情勢の影響により、一般建機および鉱山機械の販売が減少し、売上高は前年同期比で54.6%減少した。
<オセアニア・アジア・CIS>
オセアニアでは、鉱山機械の販売が減少したものの、円安の影響により、売上高は前年同期比で16.1%増加した。アジアでは、インドネシアにおいて石炭採掘量の制限などを背景に鉱山機械の需要が低迷し、売上高は前年同期比で29.6%減少した。中国では、大口案件による販売増加や円安の影響により、売上高は前年同期比で20.7%増加した。CISでは、円安の影響により、売上高は前年同期比で22.2%増加した。
<日本>
日本では、人件費・資材価格高騰や労働力不足などを背景に一般ユーザー向けおよびレンタル向け需要が引き続き低迷していることから、売上高は前年同期比で12.0%減少した。
[リテールファイナンス]
リテールファイナンス部門では、主に円安の影響および資産の拡大により、売上高は327億円(前年同期比7.4%増加)、セグメント利益は96億円(前年同期比2.8%増加)となった。
[産業機械他]
産業機械他部門では、主に自動車産業向けの大型プレスの販売増加や半導体産業向けエキシマレーザー関連事業でのメンテナンス売上げ増加などにより、売上高は529億円(前年同期比21.7%増加)、セグメント利益は90億円(前年同期比25.1%増加)となった。
■連結業績予想に関する定性的情報
2027年3月期の連結業績は、以下のとおり増収減益となる見通しで、2026年7月29日に公表値(下記)に上方修正した。
売上高4兆3,020億円(前期比4.1%増)、営業利益5,550億円(同2.2%減)、税引前当期純利益5,080億円(同5.4%減)、株主に帰属する当期純利益3,490億円(同7.3%減)。
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