一般社団法人日本血液製剤機構(JB、東京都港区)は7月7日、血漿分画製剤の安定供給と国内自給率の向上を目的に、総額約2,000億円を投じる生産基盤強化構想を発表した。北海道千歳市での新製造工場建設を柱に、既存拠点の再整備を進め、原料血漿の処理能力を現在の約2倍へ引き上げる計画である。
今回の構想では、北海道千歳市に新たな用地を取得して最新鋭の製造工場を建設するほか、既存の千歳工場と京都府福知山市の製造拠点を再整備する。これにより、免疫グロブリン製剤を中心とした血漿分画製剤の生産能力を大幅に増強し、国内供給体制の強化を図る。
血漿分画製剤は、感染症や免疫関連疾患、出血性疾患など幅広い疾患の治療に不可欠な医薬品であり、その製造設備は医療インフラとして重要な役割を担っている。一方で、免疫グロブリン製剤は近年の需要拡大に伴い海外製品への依存が進み、国内自給率は2015年度にはほぼ100%だったものの、2025年度には59.4%まで低下している。
こうした状況を受け、JBは将来的な需要増加や供給責任の拡大を見据え、従来の供給体制の延長では十分に対応できないと判断。国内自給率の維持・向上と安定供給体制の確立を通じて、健康医療安全保障の強化を目指す考えだ。
生産能力の増強により、日本国内における血漿分画製剤の製造基盤を強固なものとし、継続的かつ安定した供給体制を構築することで、医療現場への安定供給と患者への医療提供に貢献する。
JBは基本理念に掲げる「善意と医療のかけ橋」の実現に向け、献血によって得られた血漿を原料とする血漿分画製剤の安定供給を最優先課題と位置付け、高い倫理観と使命感のもとで国内自給の達成と医療への貢献を推進していく方針である。