・受注から引き渡しまで最大1年以上短縮も
日揮ホールディングス傘下の日揮グローバルは5月26日、浮体式LNG生産・貯蔵・積出設備(FLNG)向けのスタンダード・パッケージ(標準仕様)の開発を開始すると発表した。世界的プロセスライセンサーのハネウェル(Honeywell)と共同開発し、2026年度中の完成を目指す。
FLNG市場では近年、世界的なエネルギー需要拡大やLNG調達先の多角化を背景に、中小規模ガス田向け案件や短納期案件への需要が高まっている。一方、従来のFLNG設計は顧客仕様ごとのオーダーメイド対応が主流で、ライセンサーや船主との調整に多くの工数を要し、コスト増加や工期長期化が課題となっていた。
今回開発するスタンダード・パッケージでは、あらかじめ完成度の高い標準仕様を整備することで、受注後の設計作業を大幅に削減。案件条件によっては、受注から引き渡しまでの期間を最大1年以上短縮できる可能性があるという。
採用する液化プロセスには、ハネウェルが展開する「AP DMR(Dual Mixed Refrigerant)」方式を採用する。同方式は、効率性、柔軟性、コンパクト性のバランスに優れ、世界各地で豊富な運転実績を持つ。ハネウェルはAPCI LNGやUOPなどの主要技術を保有し、LNGバリューチェーン全体にライセンス提供できる強みを持つ。
これに対し、日揮グローバルは、世界最大級FLNG案件を含む多数のEPC実績で培ったエンジニアリング力や、限られた浮体スペース内で高い処理能力を実現する高密度モジュール設計技術を組み合わせる。
また、標準化された設計仕様を活用することで、再利用性の高いモジュール設計・建設も可能となり、建設工期の短縮や作業効率向上にもつなげる。オンショアでのプラント建設が難しい地政学的・地理的制約地域への適用も視野に入れ、中小規模ガス田の早期開発やエネルギー供給の迅速化を支援する。
同取り組みは、日揮HDが策定した中期経営計画「Building a Sustainable Planetary Infrastructure 2030」における重点戦略の一環。社外パートナーとの連携を強化し、コスト・納期競争力を高めたEPCサービスの提供を進める。
■プロジェクト概要
プロジェクト名:FLNGスタンダード・パッケージ開発
事業主体:日揮グローバル
共同開発先:ハネウェル(Honeywell)
対象設備:FLNG(浮体式LNG生産・貯蔵・積出設備)
開発内容:FLNG向け標準仕様パッケージの構築
採用技術:AP DMR(デュアル混合冷媒方式)
完成予定:2026年度中
主な効果:設計工数削減、納期短縮、コスト低減、モジュール建設効率化
納期短縮効果:案件条件により最大1年以上短縮可能
主対象:中小規模ガス田向けFLNGプロジェクト