・2027年市場投入へ
川崎重工業は8月3日、インバータ電源向けの仮想同期発電機制御技術「iVSG®」について、インバータメーカーのアイケイエス(京都市中京区)とライセンス契約を締結したと発表した。同社がiVSG®技術を外部企業へライセンス供与するのは今回が初めてで、同技術を搭載したインバータは2027年頃の市場投入を予定している。
再生可能エネルギーの導入拡大や生成AIの普及に伴うデータセンター増設などを背景に、電力需要は今後も増加が見込まれている。一方、太陽光発電や蓄電池などのインバータ電源は、従来の火力発電などで使用される同期発電機のような「慣性力」を持たないため、導入比率の拡大に伴い電力系統の周波数安定性が課題となっている。
川崎重工が開発したiVSG®は、インバータ電源に同期発電機と同様の挙動を仮想的に再現する制御技術で、インバータに系統周波数維持に必要な特性を付与することで、再生可能エネルギーが主力電源となる電力系統でも安定した運用を可能にする。
同社はエネルギー分野で培った技術と知見を生かし、これまで国内外でiVSG®の実証試験を実施。フィリピンやマレーシア、パラオなどで再生可能エネルギー導入拡大を見据えた電力システム構築プロジェクトも進めてきた。
今回の契約により、アイケイエスはiVSG®を自社インバータ製品へ実装し、2027年頃の製品化を目指す。川崎重工は今後も国内外のインバータメーカーへのライセンス供与を拡大し、系統慣性力低下という再生可能エネルギー普及に伴う課題の解決を図る方針だ。
■プロジェクト概要
プロジェクト名:仮想同期発電機制御「iVSG®」ライセンス提供
契約締結:川崎重工業、アイケイエス
発表日:2026年8月3日
導入技術:仮想同期発電機制御「iVSG®」
市場投入予定:2027年頃(iVSG®搭載インバータ)
目的:再生可能エネルギーの大量導入に伴う電力系統の安定化、分散型電力システムの普及促進
期待される効果:系統周波数維持機能の強化、再生可能エネルギー導入拡大、カーボンニュートラル社会の実現への貢献