・売上2.2%減の56億2,000万円、通期予想は据え置き
酒井重工業は8月7日、2027年3月期第1四半期(26年4〜6月)の連結決算を発表した。北米向け販売が回復する一方でアジア向け販売が急減速し、売上高は前年同期比2.2%減の56億2,000万円、営業利益は7,200万円の赤字(前年同期は1億4,900万円の黒字)、経常利益は85.1%減の2,300万円、純利益は1,600万円の赤字(前年同期は9,100万円の黒字)となった。
同社によると、超大国のパワーゲームによる世界秩序の変化が進む中、米国関税政策や中東情勢の混乱に伴うスタグフレーションリスクがくすぶる世界情勢が続いた。実体経済面ではAI関連の巨大建設投資が進む一方、中東産原油に依存する日本やASEAN諸国で石油由来製品の調達難と価格高騰が続き、建設機械市場の一部に停滞傾向が見られた。こうした環境下で、成長に向けた新製品投入力の増強と市場開拓、価格戦略と高付加価値化による収益体質向上、AI実装による業務改革、人的資本投資と収益生産性向上の両立を進めたという。
■地域別売上高
国内:国土強靭化実施中期計画を背景とした政府建設投資は堅調だったが、アスファルト価格の4割高騰で工事入札が停滞し、前年同期比3.9%減の23億2,200万円
海外:全体で1.0%減の32億9,800万円 – 北米:56.5%増の20億4,700万円(堅調な道路建設投資に加え、データセンター建設投資が急拡大。輸入関税問題をこなして回復) – アジア:36.2%減の11億2,600万円(石油由来製品の価格高騰に伴い、ベトナム、インドネシア、韓国などで公共投資が停滞) – その他市場:51.9%減の1億2,400万円(全般的に販売が弱含み)
■所在地別セグメント
日本:売上16.6%減の37億3,300万円、営業損益は2億7,800万円の赤字(国内販売の弱含みとアジア向け輸出・三国間貿易の大幅減少)
米国:売上55.6%増の20億5,800万円、営業利益6.1%増の1億7,200万円(昨年の高関税政策に伴う販売減速を克服)
インドネシア:売上11.6%増の16億9,400万円、営業利益0.9%増の1億1,300万円(国内販売及び第三国向け輸出が増加)
中国:売上9.9%減の2億400万円、営業損益は2,100万円の赤字(国内販売の底這いとグループ企業向け製品・部品輸出の減少)
■通期見通し
世界の建設機械市場は短期的には調整局面がしばらく続くものの、中長期的には日本の国土強靭化実施中期計画や防衛整備予算倍増、米国における高水準のインフラ投資、新興諸国におけるインフラ投資と鉱山開発の活発化、老朽化インフラの更新需要や自然災害甚大化への対応・復興需要など、建設機械の底堅い潜在需要が期待され、景気循環とともに回復すると見込む。一方で、世界秩序の混迷と中東危機長期化に伴うエネルギー原材料価格の高騰が世界経済の下押し圧力となるリスクをはらんでおり、予断を許さない。
こうした情勢下で同社は、成長に向けた新製品投入力の増強と市場開拓、価格戦略と高付加価値化による収益体質向上、AI実装による業務改革と企業体質強化、人的資本投資と収益生産性向上の両立により成長力と収益力を高める方針。また、アジア市場深耕と北米市場展開、海外事業領域拡大、新技術活用による次世代事業開発、需要変化対応力強化を進め、中長期的な事業成長と企業価値向上を目指す。
2027年3月期の通期予想は、売上高305億円(前期比10.7%増)、営業利益16億5,000万円(3.9%増)、経常利益16億5,000万円(4.3%増)、純利益11億円(37.6%減)で据え置いた。配当予想も年間110円(第2四半期末45円、期末65円)で変更なし。