・高付加価値自動車部品の生産・輸出を視野
愛知製鋼(愛知県東海市)は7月30日、インドの特殊鋼メーカー、バルドマン スペシャル スチール社(Vardhman Special Steels Limited)と共同で進めている鍛造事業について、インド・パンジャブ州ルディアナ市で新工場の起工式を7月27日に開催したと発表した。2028年度の量産開始を予定しており、特殊鋼に加えて鍛造まで一貫した技術・生産体制を構築し、高付加価値の自動車部品事業をインドで拡大する。
新工場は、バルドマンの既存拠点があるルディアナ市に建設する。鍛造品の生産に向けて熱間ローリングミルラインを導入し、2028年度からの量産開始を予定している。
今回の事業は、愛知製鋼が2019年からバルドマンに対して実施してきた特殊鋼製造に関する技術支援に、鍛造技術を新たに組み合わせるもの。2026年5月に締結した鍛造技術支援契約に基づき事業を推進している。
新工場では、高付加価値の鍛造品を生産し、インドに進出する日系自動車メーカーや現地自動車部品メーカーへの供給に加え、インド国外への輸出も視野に入れる。インド国内の自動車産業の需要を取り込むとともに、グローバルな供給拠点としての活用を目指す。
起工式には、パンジャブ州のバグワント・マン州首相も出席した。同州政府からは、本事業を同州の製造業発展に寄与する重要なプロジェクトとして期待する意向が示された。
愛知製鋼はバルドマンとの協業を通じ、インドでの事業基盤を強化する。バルドマンへの技術伝承を進めながら、特殊鋼と鍛造技術を組み合わせた高付加価値製品の供給体制を構築し、インドの自動車産業の成長を取り込む考えである。
愛知製鋼は2019年10月にバルドマンへ約11%を出資し、2025年6月には出資比率を約24%まで引き上げている。技術支援についても、第1期(2019~2021年)、第2期(2022~2025年)を経て、現在は第3期(2025~2028年)を展開している。
バルドマンは1973年設立で、パンジャブ州ルディアナ市を拠点に特殊鋼棒鋼などを生産。2025年度の従業員数は1,969人、販売量は年間約23万t、売上高は約305億円(1ルピー=1.7円換算)。製品の約90%を四輪車・二輪車向けに供給している。鋼材分野では電気炉、二次精錬設備、連続鋳造設備、圧延機、検査・二次加工設備などを保有しており、今後は鍛造分野への事業領域拡大を進める。
■プロジェクト概要(項目・内容)
事業者:愛知製鋼、Vardhman Special Steels Limited
新工場所在地:インド・パンジャブ州ルディアナ市
事業:鍛造品の製造
主な製品:高付加価値自動車部品向け鍛造品
設備:熱間ローリングミルライン
起工式:2026年7月27日
量産開始:2028年度予定
主な供給先:日系自動車メーカー、現地部品メーカー、海外市場
技術支援契約:2026年5月締結
愛知製鋼出資比率:約24%(2025年6月時点)
バルドマン設立:1973年
バルドマン販売量:約23万t/年(2025年度)
バルドマン売上高:約305億円(2025年度)