日本フルードパワー工業会(JFPA)、2026年・年度の油圧・空気圧機器需要見通しを発表

・油圧の暦年は前年比3.2%増の3,656億円、年度は前年度比4.3%増の3,706億円と予測

・空気圧の暦年は前年比7.6%増の5,885億円、年度は前年度比7.8%増の5,999億円と予測

日本フルードパワー工業会(JFPA)は5月22日、「2026年・年度油圧・空気圧機器需要見通し」を発表した。それによると、油圧機器は、暦年が前年比3.2%増の3,656億円、年度は前年度比4.3%増の3,706億円、空気圧機器は、暦年が前年比7.6%増の5,885億円、年度は前年度比7.8%増の5,999億円と予測された。同工業会では、業界の需要動向を調査するため、毎年需要予測を行い公表している。2026年においても「2026年・年度の油圧機器・空気圧機器需要見通し報告書」を作成するため、総需要委員会および各分科会を開催し、需要予測作業を行った。

油圧空気圧機器の出荷推移表(2017-2026年度予想)

■経済環境

内閣府が2026年3月に公表した月例経済報告によれば、景気の先行きについては「雇用・所得環境の改善や各種政策の効果が緩やかな回復を支えることが期待される」とされている。一方で、中東情勢の緊迫化が新たなリスク要因として位置付けられ、原油価格の上昇を通じた物価押し上げや個人消費の下押しリスクが指摘されている。また、米国の通商政策をめぐる不確実性も依然として高く、景気の先行きには注意が必要とされている。特に2025年以降、米国のトランプ政権による高関税政策は継続しており、日本を含む57カ国・地域に対する相互関税措置や、自動車・鉄鋼等への追加関税が断続的に発動されてきた。2026年に入っても米国の通商政策の方向性は不透明であり、外需の下押しリスクとして引き続き警戒が必要な状況にある。さらに、中東情勢の悪化に伴う原油価格の上昇、ウクライナ情勢の長期化、金融資本市場の変動など、外部環境の不確実性が高まっており、企業活動や家計への影響に十分な留意が求められる。

このような経済環境下において、総需要委員会および油圧分科会ならびに空気圧分科会を開催し、「2026年度の需要見通し」を作成した。本見通しは、中東情勢の悪化や原油価格の高騰が顕在化する以前のデータを基礎として検討したものであり、これらリスク要因の長期化による影響は現時点では反映されていない。

■油圧機器出荷額

市場の45%を占める土木建設機械について、日本建設機械工業会が発表した需要予測によれば、2025年度の出荷金額は2兆9,117億円(前年度比1%減)となり、2年連続の減少となった。国内は金利上昇への懸念などを背景とした設備投資意欲低下等により減少した一方、輸出は欧州市場の回復により増加したものの、全体の減少を補うには至らなかった。2026年度については、国内は安定した公共投資などに支えられるものの横ばい、輸出は7機種が増加もしくは横ばいとなり、出荷金額は2兆829億円(前年度比1%増)と3年ぶりの増加が予測されている。また、単体輸出については、先進国でのインフラ投資が堅調に推移すると見込まれる一方、中国市場は徐々に回復の兆しが見られるものの、不透明感が残っている。

これらを踏まえ暦年は前年比3.2%増の3,656億円、年度は前年度比4.3%増の3,706億円と予測した。

▽暦年ベース出荷額

2025年 出荷額(実績) 3,541億円(対前年比0.6%減)/2026年 出荷額(予測) 3,656億円(対前年比3.2%増)

▽年度ベース出荷額

2025年度 出荷額(見込み) 3,553億円(対前年度比0.1%減)/2026年度 出荷額(予測) 3,706億円(対前年度比4.3%増)

油圧機器の2026年・年度需要と見通し(PDF)

■空気圧機器出荷額

市場の約15%を占める一般機械部門に関する市場動向について、各工業会が公表した2026年出荷見通しでは、工作機械が前年比6%増、産業用ロボットが前年比3.2%増、半導体・FPD製造装置関連が前年比12%増とされており、外需を中心に受注回復が続いている。また、市場全体の約6割を占める輸出においては、自動車関連分野での設備投資は慎重姿勢が続く見通しである一方、半導体・電機関連分野では、中東情勢や通商政策、為替変動などの不確実性を抱えつつも設備投資意欲が高水準で推移しており、空気圧機器需要にとっては明るい環境となる可能性が高い。

これらを踏まえ、暦年は前年比7.6%増の5,885億円、年度は前年度比7.8%増の5,999億円と予測した。

▽暦年ベース出荷額

2025年 出荷額(実績) 5,467億円(対前年比5.3%増)/2026年 出荷額(予測) 5,885億円(対前年比7.6%増)

▽年度ベース出荷額

2025年度 出荷額(見込み) 5,563億円(対前年度比5.1%増)/2026年度 出荷額(予測) 5,999億円(対前年度比7.8%増)

空気圧機器の2026年・年度需要と見通し(PDF)