・AIデータセンター需要を背景に成長加速、ダンフォスの主力製品群へ
ダンフォス(Danfoss):2026年7月2日
ダンフォスは、世界初のオイルフリー磁気軸受コンプレッサ「ターボコア(Turbocor®)」の開発から事業成長までの歩みをまとめた書籍『ザ・クール・パーパス:ダンフォス・ターボコアのより良い未来を切り拓くエンジニアリングの旅(The Cool Purpose: The Journey of Danfoss Turbocor in Engineering a Better Future)』を刊行した。書籍は同社のターボコア製造拠点で公開され、HVAC(空調・冷凍空調)業界に変革をもたらした技術開発の歴史を紹介している。
ターボコアは1990年代半ば、オーストラリア(Australia)で複数のエンジニアによって設立された。当時、空調・冷却システムの中核を担う従来型コンプレッサは、オイル潤滑や機械式軸受による摩擦やエネルギー損失、定期的な保守が避けられないという課題を抱えていた。
創業メンバーは、オイルを使用しない磁気軸受コンプレッサ技術によって、HVAC業界の効率性と環境性能を大幅に向上できると確信し、持続可能な冷却技術の実現を目指した。しかし、実用化には高度な技術開発と多額の資金が必要で、市場投入までには数々の困難が立ちはだかった。
事業化の過程では、業界からの懐疑的な見方や資金不足、既存メーカーからの抵抗にも直面したが、2004年にダンフォスとの合弁事業を開始。2013年にはダンフォスの完全子会社となり、本格的な事業拡大への道を歩み始めた。
書籍の著者であり、2009年から16年間にわたりダンフォス・ターボコア(Danfoss Turbocor)の社長兼CEOを務めたリカルド・シュナイダー(Ricardo Schneider)氏は、「本書は、世界がその必要性を理解する以前から、この技術を信じ続けた先駆者、エンジニア、顧客への賛辞である。ターボコアの物語は、業界全体に挑戦する勇気と技術的リーダーシップを示すダンフォスDNAそのものだ」とコメントしている。
現在、ターボコア事業は約450人の従業員を擁し、米国(United States)、デンマーク(Denmark)、中国(China)に事業拠点を展開。世界で累計20万台以上のターボコアコンプレッサが導入されており、脱炭素化や省エネルギー化を目指す需要を取り込んでいる。
同事業はこれまで概ね4~5年ごとに売上規模を倍増させてきたが、近年はAIデータセンター向け冷却需要の急拡大が成長をさらに押し上げている。2025年の売上高は前年比約35%増となり、2026年も旺盛な需要が続くことで、ターボコアはダンフォス最大級の製品群の一つへと成長している。
ダンフォス・クライメート・ソリューションズ(Danfoss Climate Solutions)の社長を務めるクリスチャン・ストランド(Kristian Strand)氏は、「ターボコアは大胆な発想から世界標準の技術へと成長し、現在も高効率で信頼性の高い冷却技術のベンチマークであり続けている。特にデータセンターなど重要インフラ向けで省エネルギーかつ高いレジリエンスを備えた冷却技術への需要が高まる中、ターボコアはダンフォスの『LEAP 2030(LEAP 2030)』戦略の実現を支える重要な原動力となっている」と述べた。
書籍は米フロリダ州タラハシー(Tallahassee, Florida)での出版記念イベントに続き、7月6日にデンマーク(Denmark)のダンフォス本社でも記念イベントを開催する予定。会場にはターボコアコンプレッサの発明者であるロン・コンリー(Ron Conry)氏をはじめ、ダンフォス創業家のクラウセン家(Clausen family)や同社経営陣が出席する。
なお、『ザ・クール・パーパス』はリナウン・パブリッシング(Renown Publishing)から出版され、アマゾン(Amazon.com)で販売されている。書籍販売による収益は、米国フロリダ州レオン郡公立学校(Leon County Public Schools)におけるSTEAM(科学・技術・工学・芸術・数学)教育プログラムへ寄付される。
■ダンフォス(Danfoss)について
ダンフォスは1933年創業、デンマークに本社を置く産業機器メーカー。冷凍・空調機器、インバータ、油圧機器、パワーエレクトロニクスなどを幅広く展開し、省エネルギー技術や電動化ソリューションを世界100カ国以上で提供している。近年はデータセンター向け高効率冷却技術や脱炭素関連事業を成長分野として強化している。
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