・設置性と長時間運転性能を両立
ヤンマーエネルギーシステム(大阪市北区)は7月1日、200kVAクラスで業界最小クラスの設置面積を実現した非常用発電システム「AP200F」を発売した。都市部の狭小地や既設設備の更新需要に対応し、施工負担の軽減と設置自由度の向上を図る。
近年、日本国内ではBCP(事業継続計画)強化や防災意識の高まりを背景に非常用発電設備の整備が進んでいる。一方、2024年の台風10号による停電では、燃料切れや保守不備による停止事例も報告されており、長時間かつ安定した運転への備えの重要性が改めて浮き彫りとなった。加えて、避難所への集中を避け建物単位で安全を確保する考え方の浸透により、病院や庁舎、集合住宅などにおける自立電源の需要が拡大している。
こうした市場ニーズを背景に開発されたAP200Fは、ラジエーターファンおよび吸排風構造の最適化により換気量を抑制し、200kVAクラスながらコンパクトな筐体を実現。設置面積の制約が厳しい都市部や、屋上・上層階への設置にも対応しやすい設計とした。基礎工事の簡素化にも寄与し、トータルでの導入コスト低減が見込まれる。
発電ユニットにはコモンレールエンジンを採用し、精密な燃料噴射制御によって低燃費化と長時間連続運転を両立。災害時や停電時における安定した電力供給を支える。黒煙・白煙の発生も同社同等クラス比で大幅に低減した。
さらに、燃料残量や運転可能時間などを遠隔で把握できる監視機能を搭載。パソコンやスマートフォン、タブレットから稼働状況を確認できるほか、バッテリー劣化診断や警報の通知にも対応し、保守性の向上を図っている。
同製品は、同社のコンパクト設計シリーズ「Fシリーズ」のラインアップ拡充に位置付けられ、既存のAP130F、AP155Fと合わせて用途や設置条件に応じた選択が可能となる。
主な仕様は以下の通り。定格出力は168/205kVA(50/60Hz)、外形寸法は4.6×1.1×2.5m、重量2,680kg。燃料は軽油およびLSA重油に対応し、燃料消費量は36.7/46.9L/h。