リープヘル、仏アルザス地方ナンブスハイムに新組立工場建設、運転席キャブ年産1万台体制へ

・投資額1億ユーロ超、2028年初頭稼働予定

リープヘル(Liebherr):2026年6月23日

リープヘル・グループは6月23日、フランス東部オー=ラン県ナンブスハイム(Nambsheim)に建設する新たな製造拠点の起工式を開催したと発表した。新工場は建設機械向け運転席キャブの組立を担う拠点として整備し、欧州域内での生産能力拡充と産業自立性の強化を進める。投資額は1億ユーロ(約183億円、183円換算)超で、2028年初頭の稼働開始を予定する。

起工式には地元自治体関係者、事業パートナー、リープヘル関係者が出席し、建設開始を象徴する定礎式を実施した。今回の計画は、同社のアルザス地域における産業基盤強化と、フランスおよび欧州を生産拠点として位置付ける長期戦略の一環となる。

新工場「リープヘルEMtecナンブスハイム(Liebherr-EMtec Nambsheim)」は、リープヘルの土工機械部門が主導する戦略プロジェクト。これまで分散していた重要技術・ノウハウを集約し、欧州内の生産自立性向上と需要拡大への対応を図る。

工場では建設機械向け運転席キャブの組立に特化し、将来的には年間最大1万台の生産能力を計画する。社内物流チェーンの重要拠点として位置付け、欧州中心部に立地するナンブスハイムを活用した持続可能かつ長期的な生産モデルを構築する。

グラン・テスト地域圏(Grand Est Region)のフランク・ルロワ(Franck Leroy)知事は、「ナンブスハイムを新工場建設地として選定したことは、戦略技術の域内回帰、長期雇用創出、欧州生産網の強化につながる重要な産業判断だ」と評価。地域圏として最低100万ユーロ規模の支援を行う方針を示した。

完成後は200人超の雇用を創出する見通し。リープヘルの既存拠点に近接する戦略立地を生かし、地域産業エコシステムの強化にも寄与する。

リープヘル・フランス(Liebherr-France SAS)の生産担当マネージングディレクター、セバスチャン・ザイツ(Sebastien Seitz)氏は、「長期視点、地域との強い結び付き、高い製造品質という当社の価値観を体現するプロジェクトだ。アルザスへの投資を通じて欧州顧客との連携を強化し、責任ある高性能な産業発展を支えていく」とコメントした。

 新工場は次世代型の環境配慮型施設として整備する。国際的な環境認証制度であるBREEAM取得を目指し、省エネルギー設計、再生可能エネルギー活用、水資源・資材の適正管理、周辺地域への影響低減などを導入する計画。柔軟性・透明性・環境配慮を重視した生産体制の構築を掲げる。

 リープヘルは1961年からフランス・コルマール(Colmar)を拠点に事業展開しており、現在は建設機械、鉱山機械、コンポーネント製造、販売・サービスなど複数事業を展開。コルマール地域だけで3,000人超を雇用している。航空宇宙分野では1971年からトゥールーズ(Toulouse)でリープヘル・エアロスペース(Liebherr Aerospace)を展開しており、フランス国内全体では約5,000人を雇用している。

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