・40億円規模の新工場建設へ、北米顧客との生産コミットメント契約を締結
大同メタル工業(名古屋市中区、東京都品川区)は8月3日、メキシコ合衆国ハリスコ州にある生産拠点「大同メタルメキシコS.A. de C.V.」(DMM)で、データセンター向け発電機用エンジン軸受の生産能力を大幅に増強することを決定した。北米のディーゼルエンジンメーカーとの間で生産コミットメント契約を締結したことに基づくもので、投資額は約40億円規模。既存敷地内に約1万4000平方メートルの新工場建屋を建設し、2028年の生産開始を目指す。これにより、同社のデータセンター向け軸受のグローバル生産能力は現状比約1.5倍に拡大する。
生成AIの急速な普及などを背景に、世界のデータセンター市場は拡大を続けている。データセンター向け電力需要は2035年に2023年比で約2倍になるとの予測もあり、停電を避けなければならないデータセンターでは非常用発電エンジンの需要が増加。さらに北米ではグリッド電力不足を受け、常用発電エンジン向けの需要も伸びている。こうした顧客の増産方針に対応するため、同社は2027年度までに40億円規模の資金を投じ、本年秋を目途に建屋着工、生産設備を導入する計画だ。
今回の投資は、2025年5月に発表した中期経営計画「Bridge to Daido 2030」には含まれない追加的な措置。同計画では2030年度に売上高1700億円、営業利益率10%を目標に掲げ、成長領域への投資を強化している。本件により、2025年実績に対し2030年には中高速エンジン向け軸受の売上高全体で約1.6倍、うちデータセンター向けは約4.8倍の事業規模を見込む。地域別では北米向けが6倍強、日本向けが3倍程度の伸長を想定している。
大同メタルは自動車エンジン用半割軸受で世界シェア約39.6%、大型船舶エンジン用軸受で約66.8%、発電機用エンジン軸受で約27.9%(いずれも2025年暦年ベース、同社推定)を有する総合すべり軸受メーカー。中高速エンジン用軸受は同社の開示セグメント「マリン・エネルギー事業」に含まれ、北米だけでなく日本・アジア・欧州などでも潜在需要が見込まれる。将来的な脱炭素燃料を活用した次世代エンジンへの対応も可能と判断しており、2030年以降の新たなビジネス機会を捉える方針。
同社は「世界唯一の総合すべり軸受メーカー」として、すべり軸受技術のポテンシャルを新たなビジネスに繋げ、企業価値の創造に努めていくとしている。
■プロジェクト概要
- 決定内容:メキシコ生産拠点(DMM)でのデータセンター向け発電機用エンジン軸受の生産能力増強
- 投資額:約40億円(予定)
- 新工場建屋面積:約14,000㎡(予定)
- 所在地:メキシコ合衆国ハリスコ州(既存敷地内)
- 生産開始時期:2028年(予定)
- 生産能力増強規模:グローバルベースで現状比約1.5倍(データセンター向け分)
- 背景:データセンター市場拡大と北米顧客の増産方針に基づく生産コミットメント契約締結
- 売上高見通し(2030年度、2025年実績比):中高速エンジン向け軸受全体約1.6倍、データセンター向け約4.8倍
- 備考:中期経営計画「Bridge to Daido 2030」に含まれない追加投資
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