日立建機、Amazon Leo活用で建設現場向け衛星通信を検証、欧州で高速・低遅延ネットワーク構築へ

日立建機は6月24日、Amazon(アマゾン)の低軌道衛星ブロードバンドネットワーク「Amazon Leo」を活用する契約を締結したと発表した。日立建機は法人向け先行検証プログラム(エンタープライズ・プレビュー)に参加し、建設機械メーカーとして初めて同サービスの試験運用に取り組む。通信環境が不安定な遠隔地の建設現場でも高速・低遅延通信を実現し、サービス品質の均一化と将来的なAI活用型メンテナンス基盤の構築をめざす。

日立建機は世界約300社の販売代理店と約9,000人のメカニックによるグローバルサービス網を展開している。建設機械の稼働情報や保守データは、AWS(Amazon Web Services)上のプラットフォーム「Global e-Service」に集約され、サービスソリューション「ConSite(コンサイト)」を通じて機械のダウンタイム低減やライフサイクルコスト削減に活用されている。

一方、現場での保守活動は従来、主にモバイル通信網に依存しており、山間部、島しょ部、沿岸部、災害現場などでは通信品質の確保が課題となっていた。こうした環境下では、現場で必要となる点検情報の取得や報告業務、緊急対応に制約が生じるケースがあった。

今回の契約に基づき、日立建機は2026年から英国およびドイツの建設現場にポータブル型のAmazon Leoアンテナを配備する。衛星通信を利用して、建設機械の稼働レポート取得、サービスマニュアルのダウンロード、リアルタイムの緊急アラーム受信、点検報告書のアップロードなどのサービスワークフローを検証する。

Amazon Leo経由でも既存のAWSクラウド環境へ接続可能で、Global e-Serviceなど日立建機の既存サービス基盤をそのまま活用できる点も特徴。アンテナは雨、雪、粉じんなど厳しい屋外環境での使用を想定した設計となっており、建設現場への適用性を高めている。

日立建機 執行役 部品・サービスビジネスユニット長の細川博史氏は、「場所を問わず、すべての建設現場を通信でつなぐというビジョン実現に向けた重要な一歩になる。将来的には稼働データのリアルタイムAI解析も視野に入れ、提供価値をさらに高めていく」とコメントした。

今回の取り組みは、通信インフラ制約を受けにくい建設機械サービス体制への転換を目指すものであり、グローバルなアフターサービス高度化に向けた実証として注目される。なお、日立建機は2027年4月1日付で商号を「ランドクロス株式会社」、コーポレートブランドを「LANDCROS」へ変更する予定としている。

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