日立建機ヨーロッパ(Hitachi Construction Machinery (Europe) NV:HCM):2026年6月18日
フィンランド北東部ソトカモに位置するテラファメ(Terrafame)のニッケル・コバルト・亜鉛鉱山において、欧州最大規模となる日立建機の鉱山機械群が、事業成功の重要な要素となっている。クーシランピ(Kuusilampi)鉱区は、欧州有数のニッケルおよびコバルト鉱床を有し、日立製の超大型油圧ショベル3台とリジッドダンプトラック16台を配備。年間設計採掘量5,200万トンの掘削・積込・運搬作業において、高い信頼性を誇る同社のオレンジ色の機械が中核を担っている。
近年、テラファメは電気自動車向け電池材料として使用される高純度ニッケルおよびコバルト硫酸塩の生産で高い評価を確立している。欧州の自動車メーカーや電池メーカーからの需要増加に対応するため、生産能力の拡張と効率向上に投資を進めているほか、バッテリーグレードのニッケル、コバルト、銅といったEUのグリーン移行に不可欠な戦略資源の開発にも注力している。
■長期的パートナーシップの構築
同社は将来目標の達成に向け、2015年以降、日立建機ヨーロッパおよびフィンランドの正規ディーラーであるローテーター(Rotator)との関係強化を進めてきた。初期のリジッドダンプトラックおよび超大型油圧ショベルは2008年に前オペレーターへ納入されており、それ以降、ローテーターの現地部品供給および技術サポートチームが保守・サービスを担っている。
現在のテラファメの機隊は、EX3600-7型油圧ショベル2台(2022年・2023年導入、稼働時間はそれぞれ約20,000時間および14,000時間)と、EX3600-6型1台(2018年導入、40,000時間超)で構成される。これら3台は、発破後の鉱石を16台のダンプトラックへ4~5パスで積み込む作業に従事している。ダンプトラックは、EH3500AC-3型8台(2022~2024年導入、11,000~19,000時間)およびEH3500ACII型8台(2009~2017年導入、52,000~82,000時間)で構成される。
■過酷環境下での高稼働率
クーシランピ露天鉱山における最大の課題は、寒冷かつ湿潤な気象条件である。テラファメの採掘部門責任者アンティ・ラッカラ(Antti Lakkala)氏は、「降雨、冬季、厳しい凍結などにより作業環境は年間を通じて変化する。これにより道路維持やダンプトラックのタイヤ使用、車両の稼働性に影響が生じるほか、低温は油圧ショベルの運用にも課題となる」と説明する。
そのうえで、「ローテーターおよび日立建機はこれらの課題に対応し、高い稼働率と可用性を実現している。ダンプトラックおよび大型油圧ショベルの効率向上を図り、積込能力と稼働率のさらなる向上を目指している。機齢の異なる機械が混在しているが、オペレーターは総じて新型機を好む傾向にある」と述べた。
■安全性と快適性の向上
2015年以降、EH3500AC-3型およびEH3500ACII型の両機種を運転してきたベテランオペレーター、コスティ・ヨケライネン(Kosti Jokelainen)氏は、「新型キャブは従来機より広く、圧迫感が少なく快適で、安全性も向上している。ギアレバーやダンプレバーの操作性も改善されており、特に減速用リターダボタンは非常に重要な機能だ」と評価する。
また、10年の経験を持つオペレーター、アキ・アントネン(Aki Anttonen)氏は、「集合住宅並みの大きさの油圧ショベルを操作しているが、現行機は長時間(12時間)稼働後でも快適性が高い。キャブ内は静粛で粉じんの侵入もなく、視界が制限される場面ではカメラが重要な役割を果たす。バケットの充填も容易で、油圧性能や掘削力は旧型機に比べ大幅に向上している」と述べている。
■協働による信頼関係と将来展望
2025年には、テラファメの資源基盤の一部であるコルミソッピ(Kolmisoppi)鉱床が、EUの重要原材料法(CRMA)の下で戦略プロジェクトに認定され、2028年の開発開始が計画されている。ローテーターとの協働体制、ならびに日立建機機隊の高稼働率・信頼性・高い稼働時間実績を背景に、統合型鉱山および電池材料プラントの将来性は明るい。
ラッカラ氏は、「同一機種を長年運用してきたことで、作業条件や課題に対する豊富な知見が双方に蓄積され、協力関係を通じた信頼が構築された。チーム間の緊密な連携は不可欠であり、今後さらに強化されると見ている。このようにして、我々は正しい方向へ発展している」と述べた。
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