ソディック、中期経営計画「Grow Forward 2029」始動、2029年12月期に売上高1,000億円・営業利益100億円目指す

ソディックは6月16日、新たな中期経営計画「Grow Forward 2029」を発表した。創業から半世紀の節目を迎える同社は、構造改革による収益体質の立て直しを経て、次の成長フェーズへの転換を打ち出した。計画期間はFY2026からFY2029の4年間で、最終年度の売上高1,000億円、営業利益100億円を掲げる。

■ FY2025までの業績概況

ソディックはFY2018に売上高827億円、営業利益98億円(営業利益率12.0%)と過去最高業績を記録したが、中国市場への依存度の高さと生産性低下が課題として顕在化した。FY2023には売上高671億円、営業利益はマイナス28億円(同マイナス4.2%)まで落ち込んだ。

これを受け同社はFY2023からFY2025を「構造改革」期間と位置づけ、中国生産規模の適正化、人員の適正化、高付加価値モデルへのシフトを通じて既存事業の収益性改革を進めてきた。その結果、FY2024は売上高736億円・営業利益22億円(同3.0%)、FY2025は売上高805億円・営業利益42億円(同5.2%)と2期連続で増収増益を達成し、回復基調を鮮明にした。主力の放電加工機の販売台数もFY2023の2,259台からFY2025は2,720台まで持ち直している。

部門別では、工作機械事業がFY2025に売上高591億円・セグメント利益56億円(利益率9.6%)を計上し、グループ収益の柱として最も大きく回復した。産業機械事業は売上高97億円・利益5億円(同5.3%)、食品機械事業は売上高69億円・利益9億円(同14.1%)と相対的に高い利益率を確保した一方、その他事業は売上高47億円・利益1億円(同2.2%)にとどまった。

■ FY2026以降の見通し

FY2026は為替前提をUSD/JPY155円とし、売上高885億円(前期比+9.9%)、営業利益55億円(同+31%、利益率6.2%)を予想する。為替前提はFY2029まで155円を据え置く。部門別の足元の見通しでは、工作機械事業がAI・データセンター関連需要を取り込み増収増益基調を継続する一方、産業機械事業・食品機械事業・その他事業も成長分野への展開により段階的な収益改善を見込む。

■ 中期経営計画の基本方針

新計画のスローガンは「Represented×Redesigned×Reignited」。①顧客の技術課題解決のために存在し続ける「技術のソディック」「イノベーションのソディック」(Represented)、②グローバル体制を再デザインする「グローバル・団結のソディック」「機動力のソディック」(Redesigned)、③次の50年に向け再点火する「人が輝くソディック」「挑むソディック」(Reignited)――の3つを目指す姿に据え、「全てのモノづくりの現場と共に歩み続けるパートナーになる」というビジョンの実現を掲げる。

基本方針は「事業戦略」「経営基盤の強化」「財務戦略」の3本柱。事業戦略では顧客の課題解決を起点とした競争優位の確立を狙い、超高精度・微細加工による成長市場の課題解決、省人化・自動化などの生産性向上ソリューション強化、製品の選択と集中、グローバル競争力の強化を進める。

数値目標は、FY2025実績(売上高805億円、営業利益42億円、利益率5.2%)に対し、FY2029に売上高1,000億円(年率+5.5%)、営業利益100億円(年率+24.0%)、営業利益率10.0%を目指す。資本効率面では、ROEをFY2025の5.2%からFY2029に8.0%へ、PBRを0.5倍から1.0倍へ、EPSを89円から130円以上へ引き上げる計画で、ROE8.0%とPBR1.0倍超については早期達成を目指す「最重要指標」と位置づけた。

成長市場として「AI・データセンター」(工作機械・産業機械)と「惣菜・菓子・パン」(食品機械)を重点領域に設定。光コネクタの多心化・高精度化や半導体製造装置向け精密部品、発電設備向け部品加工など、データセンター関連需要の取り込みを進めるほか、共働き・単身世帯の増加に伴う中食市場の拡大を見据え、製麺・米飯で培った技術を菓子・パン・惣菜分野へ展開する。

■ 事業別の目標と強化策

工作機械事業はFY2025の売上高591億円・セグメント利益56億円(利益率9.6%)を、FY2029に売上高710億円・利益102億円(同14%)へ引き上げる。作業者に依存しない高精度・高再現性技術の強化、加工・搬送・測定を一体化したソリューション提供、ロボット連携による無人化ライン構築のほか、サポートセンター設立による遠隔サポート強化、ワイヤ電極線のリサイクルシステムなどアフタービジネスの拡充を進める。

産業機械事業はFY2025の売上高97億円・利益5億円(同5.3%)を、FY2029に売上高130億円・利益13億円(同10%)へ引き上げる。光コネクタ向けMTフェルール分野での優位性強化、ICT・車載・医療・軽金属・リサイクルなどニッチトップ分野への経営資源集中、ターンキー提供による付加価値拡大を図る。

食品機械事業はFY2025の売上高69億円・利益9億円(同14.1%)を、FY2029に売上高100億円・利益13億円(同13%)へ拡大する。製麺機・無菌包装米飯製造装置の競争力強化に加え、菓子・パン・惣菜分野への本格参入、他メーカーとの協業による提案力強化、海外市場開拓と販売体制再構築によるグローバル展開を進める。

その他事業はFY2025の売上高47億円・利益1億円(同2.2%)を、FY2029に売上高60億円・利益5億円(同8%)へ引き上げる。金属3Dプリンタを活用した半導体製造装置向け多孔質チャックなど高付加価値製品の創出、自動化設備・システム販売の拡大、天然芝育成LED装置などスポーツ・環境分野での新収益源開拓を進める方針だ。

■ 経営基盤の強化と財務戦略

経営基盤面では、アドバンテッジパートナーズ社との協業により、販売力強化・ソリューション強化・管理体制の強化・M&A推進の4施策を進め、得られたノウハウを社内に内製化する。人材戦略では「創造」「実行」「苦労・克服」の精神を再点火し、グローバル人材やAI・DX人材の採用・育成を強化する。サステナビリティでは環境配慮型製品比率の引き上げや温室効果ガス排出量の削減(2030年に2013年度比46%減、2050年カーボンニュートラル)などのKPIを設定した。

財務戦略では、4年間で営業キャッシュフロー(R&D控除後)500億円の創出を見込み、戦略投資に200億円(M&A100億円、グローバル化30億円、その他戦略投資70億円を含む)、設備投資・R&Dに260億円を充当する。M&Aについては航空宇宙・電子部品・医療など高付加価値市場や先端加工・食品機械領域での投資機会を重点対象とする。株主還元には165億円(配当65億円、自己株式取得100億円)を充てる方針で、配当はこれまでのDOE2%以上・総還元性向40%以上の方針から累進配当へ移行し、中計期間(FY2026~FY2029)の総還元性向は70%以上を目指すとしている。

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