・コマツの大型ダンプトラック「HD605」に「LinkOA」を導入
エピロック(Epiroc):2026年6月4日
エピロックは、世界有数の建設資材メーカーであるハイデルベルグ・マテリアルズ(Heidelberg Materials)から、オーストラリアの採石場向けに無人ダンプトラック用の自律運搬ソリューションを導入するプロジェクトを受注したと発表した。これにより、同社の自律運搬システム「リンクOA(LinkOA)」は、鉱山分野に加え、骨材(アグリゲート)業界にも適用範囲を拡大する。
今回のプロジェクトは概念実証(PoC)として実施されるもので、中規模採石場における自動化の有効性を検証する。採石場は、比較的標準化された露天鉱山と比べて設計条件の変動が大きく、運用環境も複雑なことから、自動化導入が進みにくい分野とされてきた。
エピロックのヘレナ・ヘドブロム(Helena Hedblom)社長兼CEOは、「ハイデルベルグ・マテリアルズの自律化への取り組みを支援できることを誇りに思う。リンクOAはすでに鉱山向け自動化技術として実績を持っており、今回のプロジェクトを通じて、骨材業界にも同様の生産性向上と安全性向上のメリットを提供したい」とコメントした。
今回の受注は、エピロックがリンクOAを活用してオーストラリアのロイヒル鉱山(Roy Hill)における世界最大規模のOEM非依存型・完全自律鉱山の実現に貢献した実績を背景とするもの。受注金額は公表していない。
ハイデルベルグ・マテリアルズは先ごろ、自律走行重機の導入を世界規模で拡大する方針を示し、2026年中に約30台、2028年末までに100台超の自律車両運用を目指すと発表している。
エピロックは同社の技術パートナーとして、西オーストラリア州の採石場でコマツ(Komatsu)の大型ダンプトラック「HD605」にリンクOAを導入する。このシステムはローダーや補助車両とも連携して運用される。
プロジェクトでは、異なるメーカーの車両が混在する環境での安全運用、運搬効率の向上、オペレーター依存度の低減、さまざまな現場条件下でのシステム性能などを検証する。自律運搬システムは24時間365日の連続運転を可能にするほか、作業員を危険区域から遠ざけ、人為的ミスや疲労に起因する事故の削減にも寄与する。
リンクOAは、運搬、掘削、発破工程を単一のインテリジェント制御層で統合するオープン型のOEM非依存自律運転プラットフォーム。高度なセンサーやカメラ、AI(人工知能)を活用し、現場状況の把握能力を向上させるとともに、リアルタイムのデータに基づく意思決定を可能にする。
2025年には、ハンコック・アイアンオア(Hancock Iron Ore)が運営するロイヒル鉱山で、78台の鉱山用ダンプトラックにリンクOAを導入し、世界最大のOEM非依存型完全自律鉱山を実現した。同鉱山ではこれまでに3億5,000万トン超の資材が自律運搬されている。
また2025年には、米国の砕石大手ラック・ストーン(Luck Stone)と協力し、「スマートROC D65(SmartROC D65)」全自律掘削リグを採石業界向けに導入した。これは世界初の採石場向け完全自律地表掘削機として注目を集めた。
リンクOAはその技術力が評価され、「デジタル・エンジニアリング・アワード2026(Digital Engineering Awards 2026)」において「エンジニアリング・プロダクト・オブ・ザ・イヤー(Engineering Product of the Year)」を受賞している。
エピロックは鉱業およびインフラ分野向けの生産性向上パートナーとして事業を展開しており、掘削機械、岩盤掘削設備、建設機械、関連ツールのほか、自動化、デジタル化、電動化ソリューションを提供している。2025年の売上高は約620億スウェーデンクローナ、従業員数は約1万9,000人。世界約150カ国で事業を展開している。
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