IHIエアロスペース、JAXAから5か月間の競争参加資格停止処分

・虚偽報告に基づく費用請求が発覚

IHIは6月3日、連結子会社であるIHIエアロスペース(群馬県富岡市)が、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)から、2026年6月2日付で5か月間の競争参加資格停止処分を受けたと発表した。JAXAとの機材装置保全業務に関する契約等において、事実と異なる報告に基づく費用請求が確認されたことが理由。

■ 未完了業務を「完了」と虚偽報告

今回問題となったのは、宇宙関連機器の製造に使用する専用治工具等の保全業務、および部品の調達業務に関する契約。これらの契約では、機材装置や部品そのものをJAXAへ引き渡すのではなく、業務完了報告書の提出をもって契約履行とみなす形態を取っていた。

しかし一部の契約において、実際には業務が未完了であるにもかかわらず完了報告書を提出し、費用を請求していたことが判明した。

問題は、IHIエアロスペースがJAXAと保全業務に関する調整を進める中で発覚。2025年12月にJAXAへ第一報を行い、その後も継続的に調査・報告を実施してきた。

■ 書類保存10年分を精査、438契約中14契約で問題確認

社内調査では、書類保存期間にあたる2016年度以降の契約を対象に、物品引き渡しを伴わず報告書提出のみで費用請求する契約を網羅的に精査。対象438契約のうち、機材装置保全業務13件・部品調達業務1件の計14契約において同様の不正が確認された。

■ 製品品質への影響はなしと判断

当該機材装置を用いて製造した製品については、社内の品質保証部門が独立した立場で所定の検査・評価を実施しており、製品要求への適合性は確認済みとしている。また、部品調達業務についても、実際の使用時期までに調達を完了させており、製品への組み付けに影響はなかったとしている。

■ 原因究明と再発防止に全力

IHIグループは、JAXAが実施する調査に全面的に協力するとともに、根本原因の究明および再発防止策の策定・実行に取り組む方針。業績への影響については現在精査中とし、影響が見込まれる場合には速やかに公表するとしている。

■IHIエアロスペース会社概要
所在地:群馬県富岡市藤木900番地
代表者:矢木一博
事業内容:宇宙機器・防衛機器の設計・製造・販売、航空機部品の製造・販売
資本金:50億円
売上高:666億円(2025年3月期)
従業員数:約1,300名

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