ヤマシンフィルタ、信州大学と産学連携、ナノファイバー活用の次世代機能素材開発で「SHIN-PROJECT」始動

・2030年社会実装目指し、PFASフリーや自己発電センサーなど3領域で量産化推進

ヤマシンフィルタは5月26日、国立大学法人信州大学と共同研究契約を締結し、ナノファイバーを軸とした次世代機能素材の開発・社会実装に向けたプロジェクト「SHIN-PROJECT」を正式に始動したと発表した。

同プロジェクトは、建設機械用油圧フィルタなどで培った同社のろ材開発技術と、国内唯一の繊維学部を擁する信州大学の繊維・素材研究知見を融合させるもので、2030年の製品化・市場投入を視野に入れた実践的な産学連携として注目される。

■背景:環境規制と社会課題への対応

世界的にPFAS(有機フッ素化合物)規制が強化される中、レインウェア、防護服、産業資材分野では、環境負荷を低減しつつ防水性・透湿性・軽量性を両立する新素材のニーズが高まっている。また、資源供給リスクや超高齢化・人手不足、次世代インフラ(EV・ドローンなど)の進展に伴う熱・電磁波・重量課題への対応も急務となっている。

ヤマシンフィルタはこれまで、過酷環境下でのフィルタ性能を支える素材技術を磨いてきた。信州大学は繊維分野における高度な研究基盤を有しており、両者の強みを掛け合わせることで、従来にない機能素材の実用化を目指す。

■3領域で開発を推進

プロジェクトでは、高機能ナノファイバー素材の量産化に向け、以下の3領域で開発を進める。

  1. 環境・資源リスク対応
  • PFASフリー撥水素材やバイオマスエアロゲルの開発
  • 薄型・軽量の高断熱素材による省エネ貢献
  1. 超高齢化・人手不足対応
  • 自己発電センサーの開発(電池交換不要)
  • ガス検知・生体センサーによるヒト・植物の異常検知と業務効率化
  1. 次世代インフラ技術対応
  • 薄型軽量EMC(電磁波制御)素材、吸音素材の開発
  • EV・ドローンにおける熱・電磁波・重量課題の解決

■「SHIN-PROJECT」の意義

本プロジェクトは、単なる共同研究ではなく、素材開発から用途開発、市場展開までを一貫して推進する「社会実装型プロジェクト」として位置づけられている。

SHIN-PROJECTの定義

  • シン素材:社会課題を「濾過」する次世代機能素材
  • シン産学連携:権威と現場力の融合
  • シン未来:2030年以降の社会インフラを支える価値創造
  • SHIN:ヤマ「シン」フィルタ・「信」州大学・技術者の「真」の融合

ヤマシンフィルタは、本プロジェクトを通じて機能素材事業を新たな収益の柱に育て、2030年までに同事業の売上構成比を43%まで高める目標を掲げている。

■法人概要
ヤマシンフィルタ株式会社
設立:1956年4月
本社:神奈川県横浜市中区桜木町1-1-8 日石横浜ビル16F
事業内容:建設機械用・産業用・プロセス用フィルタ及び関連部品の製造・販売、ナノファイバーの開発・製造・販売
URL:https://www.yamashin-filter.co.jp/

国立大学法人信州大学
学長:中村宗一郎
所在地:長野県松本市旭3-1-1
URL:https://www.shinshu-u.ac.jp/

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