日本ゼオン、水島工場でGPI設備を増強 COP向け原料DCPDを2割増産へ

・水島工場に追加投資、DCPD生産能力を最大2割向上
・COPおよび光学フィルム需要拡大に対応
・未利用成分活用でCO2排出削減にも寄与

日本ゼオン(東京都千代田区)は5月12日、岡山県倉敷市の水島工場において、GPI(ゼオン・プロセス・オブ・イソプレン)プラントへ追加投資を実施し、シクロオレフィンポリマー(COP)などの主原料となるジシクロペンタジエン(DCPD)の生産能力を増強すると発表した。工事は2026年度下期に着工し、2028年9月の完工を目指す。

今回の投資により、DCPDの生産能力は現行比で最大2割程度向上する見通し。DCPDは、COPやCOP製光学フィルムのほか、RIM配合液など高収益製品の原料として使用されている。特にCOPおよびCOP製光学フィルムは、中期経営計画「STAGE30」で成長ドライバと位置付けられており、今後の需要拡大が見込まれている。

水島工場は1969年に操業を開始したゼオンの基幹工場で、独自技術であるGPI法を用いて、ナフサ由来のC5留分からイソプレン、DCPD、ピペリレン、2-ブチンなどの有効成分を抽出。これらを合成ゴム、COP、石油樹脂、合成香料などへ展開している。

同社では、拡大するCOP需要に対応するため原料調達方法を検討してきた結果、これまで未利用だった成分を活用する技術を確立。新たなC5留分を追加調達することなく、DCPDを安定確保できる体制を構築した。これにより、汎用品向け主原料であるピペリレンなどの生産量を増やさずに能力増強を実現する。

また、新手法は従来のC5留分抽出と比較してCO2排出削減効果も期待され、カーボンニュートラル推進にも寄与するとしている。

ゼオンは「選択と集中」による事業ポートフォリオ改革を進めており、今回の投資を通じてC5事業の競争力強化と成長事業拡大を加速する考えだ。

■プロジェクト概要

・投資内容:水島工場GPIプラント設備増強
・所在地:岡山県倉敷市(水島工場
・目的:COPおよびCOP製光学フィルム向け原料DCPDの能力増強
・能力増強幅:DCPD生産能力を現行比最大約20%向上
・着工時期:2026年度下期
・完工予定:2028年9月
・特徴:未利用成分活用による原料安定確保とCO2排出削減
・関連事業:COP、COP製光学フィルム、RIM配合液などC5事業分野

ニュースリリース