・AIデータセンタ向け次世代光コネクタ部品を量産へ
古河電気工業(東京都千代田区)は6月2日、グループ会社の白山(石川県金沢市)が石川県かほく市に「石川第二工場(仮称)」を新設し、AIデータセンタ向け次世代光コネクタの中核部品であるTMTフェルールの量産体制を構築すると発表した。投資額は約50億円で、2028年4月頃の量産開始を目指す。
生成AIやクラウドサービスの普及を背景に、世界的にデータセンタ投資が拡大している。特にAIデータセンタでは、高速かつ低遅延な光通信ネットワークの需要が急増しており、関連部品である光コネクタ市場も拡大している。
近年はデータセンタの高密度化が進み、従来のMTフェルールを用いた光コネクタに加え、省スペース化を実現する超小型多心光コネクタ(VSFF:Very Small Form Factor)の採用が進展している。
古河電工グループでは、子会社のライテラジャパンを中核として光ソリューション事業を展開しており、光コネクタや関連製品を含むコネクティビティソリューションの強化を進めている。ライテラジャパン傘下の白山は、多心光コネクタの主要部品である低損失MTフェルールで世界トップクラスのシェアを持つ。
白山は2026年2月、サンワテクノロジーズ(SANWA Technologies)およびユーエスコネック(US Conec)とともに、「MMC」および「TMTフェルール」に関するマルチソース(相互供給)体制で合意しており、今回の新工場建設はその取り組みを具体化するものとなる。
新工場ではVSFFコネクタ向けTMTフェルールの量産を行う計画で、設備規模は現行設備に対して約1.5倍以上へ拡大する。これにより、今後拡大が見込まれるAIデータセンタ市場向けの供給能力を強化し、安定供給体制の構築を進める。
また、新工場の稼働開始に先立ち、既存施設を活用した暫定生産ラインを立ち上げることで、需要拡大に機動的に対応しながら生産能力の増強を進める方針だ。
古河電工グループは、メタル、ポリマー、フォトニクス、高周波の4つのコア技術を基盤に、情報通信やエネルギー、自動車、エレクトロニクス分野で事業を展開している。AIデータセンタ向け光接続分野を成長領域と位置付け、高付加価値製品の供給拡大を通じてグローバル市場での競争力強化を図る。
■プロジェクト概要
事業主体:株式会社白山(古河電気工業グループ)
プロジェクト名:石川第二工場(仮称)新設計画
所在地:石川県かほく市
投資額:約50億円
用途:VSFF多心光コネクタ向けTMTフェルールの量産
量産開始予定:2028年4月頃
敷地面積:約20,000㎡
能力増強:現行設備比約1.5倍以上
主な対象市場:AIデータセンタ、ハイパースケールデータセンタ向け光通信ネットワーク
製品概要:超小型多心光コネクタ(VSFF)の中核部品となるTMTフェルール
関連施策:既存施設を活用した暫定生産ラインを先行立ち上げ、生産能力を段階的に拡大予定