小松マテーレ(石川県能美市)は5月13日、国内の全生産工場を対象に次世代型の工場群へ再編する長期プロジェクト「factoRe100(ファクトーレ100)」を立ち上げたと発表した。創業100周年となる2043年を完遂の節目に据え、設備更新にとどまらず、ものづくりのあり方そのものを見直す構想として打ち出した。
同社は、長年にわたり日本の繊維産業を支えてきた一方で、設備の老朽化や生産体制の複雑化、人手不足といった課題が顕在化していると説明する。これらを“問題”ではなく“進化の起点”と捉え、工場群の再編を通じて、将来にわたり価値を提供できる生産基盤の構築をめざす。
■基本構想
「factoRe100」では、次世代素材への対応、環境配慮型生産、省人化・自働化、DX推進を軸に、生産性と環境価値を両立する工場群を整備する。あわせて、DXや自動化だけに寄らず、匠の技や現場感性といった人的価値も重視し、「人」と「設備」とデータを最適に組み合わせる考え方を示した。
同社は、古い設備であっても価値を生むものは活用し、蓄積された技術や感性を生かすことで、同社独自の競争力を高める方針。こうした考え方を「ローテク×高感性」と表現し、工場再編を企業価値向上の土台と位置づけている。
■主要施策
プロジェクトでは、事業特性や役割に応じて工場群を再編し、5つの中核機能を構築する。次世代素材対応工場では、スパイバーのブリュード・プロテイン™やバイオワークスのPlaX™など、石油資源に依存しない素材の開発・社会実装を視野に入れる。
高効率型工場では、品質、リードタイム、コストの観点から工程を再設計し、ムリ・ムダ・ムラを排除する。エコファクトリーでは、節水・省エネルギーや製品染めなどを通じ、環境負荷低減を進める。さらに、海外提携工場を支えるマザーファクトリー機能や、カボコーマ、ベリフォーマーなど関連技術の開発・商品化拠点も整備する計画。
■投資規模と展開
総工費は約300億円以上を見込む。プロジェクトは一度で完結するものではなく、3~5年ごとに新構想や新工場を段階的に立ち上げながら、2043年の創業100周年に向けて工場群の進化を進めていく長期構想となる。
加えて、新設する総合物流センターや研究開発センター、歴史や技術を伝えるプレゼンテーション施設「ファブリウム」も構想に含まれる。生産、物流、研究開発、情報発信を一体で再編することで、供給力と収益構造の高度化、グローバル連携の強化を狙う。
■概要
• プロジェクト名:factoRe100(ファクトーレ100)。
• 目的:国内工場を次世代型の工場群へ再編し、持続的成長を支える体制を構築すること。
• 基本思想:次世代素材対応、環境配慮、省人化・自働化、DX推進と「人」の価値の両立。
• 中核機能:次世代素材対応、高効率生産、エコファクトリー、マザーファクトリー、関連技術の開発・商品化。
• 追加構想:物流センター、研究開発センター、歴史・技術の発信施設「ファブリウム」。
• 総工費:300億円以上の見通し。
• 完遂目標:2043年の創業100周年。
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