オカダアイヨン、新中期計画「Onyx」策定、国内基盤強化と北米軸海外成長で340億円目指す

解体・環境機械アタッチメント大手オカダアイヨンは5月14日、2026〜2028年度を対象とした新中期経営計画「Onyx(オニキス)」を発表した。長期ビジョン「新VISION30」(2031年3月期売上高400億円目標)に向けた3年間のコミットメント計画として位置づけ、売上高拡大に加え「利益の質」「成長の再現性」「資本効率」を重視した価値創造型成長モデルへの転換を掲げた。

■2021〜2025年度(VISION30前期)の実績概況

同社は2021年5月に発表したVISION30で、2021年3月期売上高175億円を起点に31年3月期300億円を目指していたが、26年3月期には269億円(5年CAGR約8.9%)を達成し、着実な成長を遂げた。営業利益は22.6億円(同CAGR10.4%)、営業利益率8.4%となった。

国内事業は安定成長の柱。国内セグメント売上は26/3期に過去最高の206億円超を記録し、主力の圧砕機など解体・環境アタッチメントで国内トップシェアを維持・拡大(圧砕機シェア約50%超)。鋳鋼品を活用した高強度・高耐久製品力と、業界最大級のアフターサービス網(自社19拠点+指定工場60)を活かした一気通貫の循環モデルが強みを発揮した。全国拠点網の整備や協力会社拡充により製造キャパシティも強化した。

海外事業は成長ドライバーとなり、海外売上比率が16.5%→23.4%(5年CAGR約17%)に上昇。北米を中心に販売体制を強化し、米国現地法人の新築移転で倉庫・メンテ機能拡充、欧州では代理店開拓で売上倍増、タイでは合弁会社設立と戦略商材開発を進めた。新規事業では2022年に米国トーセン社を買収した。一方で、地域別収益性のばらつきや市況変動の影響、在庫高止まりによるキャッシュ創出力の課題も顕在化した。

■2026年度以降の見通しと「Onyx」数値目標

Onyx最終年度(29/3期)のコミット目標は売上高340億円(26/3期比+26%)、営業利益34億円(同+50%)、営業利益率10.0%(同+1.6pt)、ROE10.8%とした。国内売上250億円、海外90億円の構成を見込む。新VISION30(31/3期)では売上高400億円、営業利益40〜50億円、営業利益率10〜12%、海外比率30%以上、メンテナンスソリューション比率20%以上を目指す。

基本方針は「価値創造型成長モデルへの転換」。単なる規模拡大ではなく、利益品質向上・成長再現性確保・資本効率化を軸に据える。アドバンテッジ・パートナーズ社との戦略的提携により、データ分析・KPI設計・実行管理を強化する。

■事業別・市場別の強化策(3本柱+2施策)

  1. 国内事業(QCD高度化)
    解体・環境アタッチメントの高付加価値化と大型機対応を推進。プラント・船舶解体向け鉄骨系需要開拓を進める。林業分野ではニッチトップ戦略を徹底し、用途別ソリューション提案と製品ラインアップ拡充を図る。価格規律・案件選別の高度化で収益力強化。M&Aを活用したサプライチェーン強化や新ビジネス展開も検討する。
  2. アフタービジネス(顧客LTV最大化)
    中期計画の中核施策。修理力・純正補材・IoTデバイスを統合したライフサイクル型ソリューションへ移行。指定サービス工場との連携強化により高品質修理と相互利益創出を目指し、顧客生涯価値(LTV)を最大化する。
  3. 海外事業(グローバルメーカーへの進化)
    北米を最重点市場とし、営業・アフター一体強化、ディーラーインセンティブ拡充、新規アカウント開拓を推進。油圧ブレーカの新モデル(AIモデル、UXモデル)投入で世界商品化を図る。欧州ではフランス・スペインなどニーズの高い国でスケール拡大、環境規制対応の高付加価値製品に集中。オーガニック成長を軸にM&Aも積極活用する。
  4. 新規事業・M&A
    製品ラインアップ拡大、顧客接点強化、新規ビジネス構築を目的に、累計20〜30億円規模の案件を検討。国内・海外双方で製品/サプライチェーン、チャネル、アフター網の強化を図る。
  5. 在庫管理・資本効率化
    在庫の見える化と適切KPI導入により適正化を進め、キャッシュ創出力を強化。新基幹システム(27年度導入)で価格・原価・在庫・LTVの可視化を実現する。

■経営基盤強化
設備投資(生産・研修設備重点)、システム投資(データドリブン経営)、人材投資(グローバル・サービス人材30名程度計画的獲得・育成)を3本の柱に重点投資。新人事制度(2027年度本格運用)で職務・評価・キャリアマネジメントを刷新する。

機械業界各社が国内成熟市場でアフターシフトを進める中、オカダアイヨンのLTV重視と北米深耕戦略は注目に値する。鋳鋼品技術とサービス網という競争優位性を活かし、グローバルでの持続成長を実現できるか——業界の関心が集まる。 

中期経営計画「Onyx(オニキス)」策定のお知らせ