英JCB、世界初の量産型水素バックホーローダー「3CX Hydrogen」を正式投入

・ゼロエミッション建機として市場展開、水素エンジンに1億ポンド超を投資

JCB:2026年5月12日

英建設機械大手のJCBは、量産型として世界初となる水素燃焼式バックホーローダー「3CX Hydrogen」を正式発表した。建設現場の脱炭素化需要を背景に、ゼロエミッション対応機として世界市場への展開を進める。

同機は、JCBが5年以上にわたり開発を進めてきた水素エンジン技術を採用したモデル。開発には累計1億ポンド(約213億円、213円換算)以上を投資しており、非道路用車両向けとしてEUエンジン型式認証も取得した。建設機械メーカーとして、水素燃焼エンジンの完全認証取得と量産バックホーローダーへの搭載を実現したのは同社が世界初としている。

搭載する水素エンジンは55kW仕様で、ディーゼルモデルと同等の出力・トルク性能を実現。オペレーターは従来機とほぼ同じ感覚で使用でき、作業方法を変更する必要がないという。現場実証では、積み込み、パレットフォーク作業、整地など一般的なバックホー用途で運用され、利用企業からは「ディーゼル機との差を感じない」との評価を得た。

機体にはキャブ上部に3本の高圧水素タンクを搭載。350バールで充填し、1日稼働に十分な水素を貯蔵できる。水素貯蔵システム以外は既存機と近い構造としており、整備・保守周期もディーゼル機並みとすることで導入しやすさを高めた。

また、同社はHYKITと共同で移動式水素充填システムも開発。現場で迅速な燃料補給が可能で、バッテリー電動建機に伴う長時間充電が不要になる点を訴求する。英国ではRyze Powerを通じて水素供給体制も整備する。

JCBのアンソニー・バンフォード(Lord Bamford)会長は、「水素燃焼エンジンは、現在のJCB機械と同じ出力、トルク、効率をゼロカーボンで実現できる。さらにディーゼルエンジン技術を活用できるため、希少資源への依存を減らし、建設機械や農業機械で実績のある信頼性の高い技術でもある」とコメントした。

販売面では、JCB Financeを含む金融パートナーと連携し、3年間のオペレーティングリースを提供。保険やフルサービス契約も含め、水素建機導入時の負担軽減を図る。

JCBは評価段階で150基以上の水素エンジンを製造しており、同技術は英国国王チャールズ3世がJCB創立80周年行事で視察したことでも注目を集めた。

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