アマダが5月14日に発表した2026年3月期(2025年度)連結業績によると、売上収益は4,373億7,200万円(以下、前期比10.3%増)となった。M&Aによる事業寄与やAI普及に伴うデータセンター関連投資の恩恵を受けたことが主な要因で、顧客工場の建設遅延などによる受注残の消化遅延も見られたものの、増収となった。国内は1,560億7,800万円(8.2%増)、海外は2,812億9,300万円(11.5%増)となった。一方、既存事業では米国の関税影響や人件費上昇といったコスト増が影響し、営業利益は447億9,800万円(8.7%減)となり、親会社の所有者に帰属する当期利益は305億5,400万円(5.7%減)だった。
■事業別・地域別の概況
①金属加工機械事業
売上収益は3,264億8,500万円(1.1%減)、営業利益は373億3,300万円(7.6%減)となった。
<板金部門の地域別>
日本:配電盤・制御盤、サーバーラックなどデータセンター向けや半導体製造装置関連の設備投資は堅調に推移したものの、産業機械、工作機械、建設機械向けは軟調だった。その結果、売上収益は997億7,400万円(前期比2.4%減)となった。
北米:米国ではデータセンターやインフラ関連向けの設備投資需要が引き続き活況であり、着実に売上を伸ばした。その結果、売上収益は938億3,800万円(前期比4.6%増)となった。
欧州:東欧では防衛やインフラ関連、自動化への投資が牽引したほか、イタリアではエネルギー関連向けが下支えするなど、一部で底堅い動きも見られた。しかし、地域全体としては輸出減少による景気低迷を背景とした設備投資の先送りが影響し、ドイツやフランス、北欧などで苦戦を強いられた結果、売上収益は662億6,900万円(前期比4.9%減)となった。
アジア他:米国関税や中国景気減退の影響から、総じて設備投資に慎重な姿勢が見られたものの、中国、インド、ベトナムにおいてはデータセンター関連向けが堅調に推移した。その結果、売上収益は369億7,100万円(前期比1.0%増)となった。
<微細溶接部門>
欧州では医療や航空・宇宙分野が好調に推移し、アジアではデータセンター関連の需要が牽引した一方で、世界的なEV市場の停滞に伴いバッテリー関連投資が抑制されたことで、売上収益は296億3,200万円(前期比7.3%減)と前期比で減収となった。
②金属工作機械事業
売上収益は883億4,500万円(35.5%増)、営業利益は91億6,100万円(32.8%増)となった。
<切削・研削盤部門>
国内では資材高騰や人手不足による建設市場の停滞に加え、自動車関連市場における設備投資抑制の動きが継続した。一方、海外では北米の大手鋼材流通業向けバンドソーマシンの販売が順調に推移したほか、欧州市場でも航空産業向けの難削材対応などブレードに回復の兆しが見られた。また、アジアを中心に半導体関連向けの研削盤の売上が堅調に推移した。売上収益は454億300万円(前期比0.7%減)となった。
<プレス部門>
国内では資材の高騰やEV減速などの影響により自動車関連の設備投資が手控えられ軟調となった。一方、海外では北米におけるデータセンター関連向け需要やリショアリングの進展に伴う自動機の導入が売上増に寄与したほか、医療向けばね成形機が業績を下支えした。なお、2025年5月1日付でプレス事業に加わったエイチアンドエフグループは、自動車関連分野におけるサーボプレス等の大型案件が売上増加につながった。売上収益は429億4,200万円(前期比120.5%増)となった。
■今後の見通し
今後の世界経済は、緊迫した状況が続く中東情勢など地政学的リスクや、それに伴うエネルギー価格の高騰によるインフレ再燃のリスクなど、依然として注視が必要な状況にある。こうした環境下において、当社グループが属する製造業界では、慢性的な人手不足を背景とした省人化・自動化への投資や、脱炭素社会の実現に向けた省エネルギー対応の需要が、中長期的なトレンドとして底堅く推移するものと見込まれる。加えて、米国を中心としたAI・半導体関連投資の拡大を背景に、強い需要が継続する見通しだ。
このような状況のもと、アマダグループは米国を中心としたデータセンター向け需要を継続的に取り込むとともに、国内外の製造業における生産性向上ニーズを確実に捉えていく。さらに、前期に連結子会社化した株式会社エイチアンドエフ及びビアメカニクス株式会社が通期で業績に寄与することから、次期の連結業績は売上収益、営業利益、親会社の所有者に帰属する当期利益のいずれにおいても前期を上回る水準を計画しており、引き続き高い水準の維持を目指す。
2027年3月期の連結業績見通しは、売上収益4,600億円(5.2%増)、営業利益480億円(7.1%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益340億円(11.3%増)。
為替レートは、1米ドル=150円、1ユーロ=175円を前提としている。
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