大林組、建設工事にGX建設機械の導入を開始

・カーボンニュートラル実現に向け建設機械の脱炭素化を推進

 ㈱大林組は4月25日、カーボンニュートラル実現に向けた取り組みとして、2024年度より国内建設工事において、20t級のバッテリー式油圧ショベルをはじめとしたGX建設機械(※1)の導入を開始すると発表した。

 大林グループは、2030年度における温室効果ガス排出削減目標(※2)にコミットし、2022年10月に取得したSBT(※3)認定に沿って脱炭素に向けた取り組みを推進している。削減目標の基準年(2019年度)における当社建設工事によるCO2排出量(Scope1+2)の約7割が軽油燃料に由来しており、建設機械の脱炭素化はCO2排出削減に取り組むうえで必要不可欠となっている。一方、建設業界全体でもGX建設機械導入の機運が高まっており、2023年10月には国土交通省が「GX建設機械認定制度」を開始し、電動建機の普及促進を図っている。

 今回大林組は、首都圏のトンネル建設工事において、バッテリー式の20t級油圧ショベルを導入する。同サイズの油圧ショベルは大林組建設現場で使用頻度が高いことから、他の建設工事に使用を拡大するとともに、大林組がこれまで採用実績がなかった移動式クレーンなどのGX建設機械も順次導入する。

 今後は、GX建設機械の実稼働におけるCO2排出削減効果を調査・確認することに加え、最適な運用に向けて軽油を燃料とする建設機械とは異なる運用方法を検証する。さらに、大林組が製造したグリーン水素など、再生可能エネルギー由来の各種電源を利用したGX建設機械の導入も予定している。

 大林組は、GX建設機械の導入とその運用拡大により、建設工事におけるCO2排出量のさらなる削減を推進する。さらに、ZEBの推進や低炭素資材の開発・実用化など、さまざまな取り組みを通して、大林グループの長期ビジョン「Obayashi Sustainability Vision 2050」で掲げる脱炭素社会の実現に貢献していく。

※1 GX建設機械:稼働時のCO2が無排出と認められるもので、バッテリー式もしくは有線式の電動建機などのこと(国土交通省「GX建設機械の認定に関する規程」より)
※2 大林グループ温室効果ガス排出削減目標:大林グループでは2030年度における温室効果ガス排出削減目標を、2019年度比 Scope1+2 46.2%、Scope3 27.5%に設定
※3 SBT(Science Based Targets):パリ協定(世界の気温上昇を産業革命以前より2℃を十分に下回る水準(well-below 2℃)に保ち、さらに1.5℃に抑えることをめざすもの)が求める水準と整合した、5年~15年先を目標年として企業が設定する、温室効果ガス排出削減目標

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