住友化学、韓国で半導体関連材料の生産・研究開発体制を強化

・半導体用ケミカルのリーディングカンパニーとして、グローバル展開を加速

 住友化学は4月24日、100%子会社である韓国の東友ファインケムの益山工場(益山市)において半導体用高純度ケミカルの生産能力増強を重ねてきたが、顧客の旺盛な需要に応えるべく同市内に新たな土地を取得し、工場用地を大幅に拡張すると発表した。土地の取得時期は2024年度下期を予定しており、これにより敷地面積は現在の約2倍となる。

 さらに、半導体や通信関連の先端技術・材料など次世代事業開発を加速するため、ソウル近郊に研究開発センターを新設することにしている。同センターの運営開始は2024年下期を予定しており、約150人の配置を計画。これにより、同国における生産および研究開発の両体制を強化し、半導体関連材料事業の拡大を目指す。

 東友ファインケムは、住友化学グループの情報電子化学事業における中核子会社として、東アジアや米国へのグローバル展開をけん引している。同社は1991年の創業以来、半導体関連材料とディスプレイ材料の両面で韓国の主要ICT企業との緊密な関係を構築しており、事業の成長とともに国内外のプレゼンスを獲得してきた。半導体用高純度ケミカル事業においては、超高純度化技術や高度な分析技術に基づく品質保証体制に加え、時機を捉えた柔軟な供給体制整備により、先端半導体メーカー各社から高く評価され、同社は韓国を含むグローバル市場におけるリーディングカンパニーとなっている。

 既に発表している益山工場での生産能力増強に加え、今回取得する用地での段階的な能力増強により、需要拡大に機敏に対応するとともに、近隣諸国への輸出も視野に事業拡大を図る。新拠点は2027年度の本格稼働を目指しており、30年度には進行中の米国テキサス新拠点における能力増強分も含め、23年度比でグローバル供給能力5割増を目標としている。

 また、今回開設する研究開発センターは、韓国主要ICT企業の研究開発拠点や大学、ベンチャーの集積地であるソウル近郊・板橋テクノバレーに立地している。東友ファインケムでは、現在、益山事業所などの拠点において約350人が研究開発や事業探索分野へ従事しており、一部再編や新規採用を含めて新開発センターへの重点配置を行う。これにより、外部との交流を促進するとともに、住友化学の日本国内研究拠点との連携を一層強化することで、半導体や通信分野などでの次世代事業開発を加速する。

 住友化学は、先端技術の進展に伴い中長期的に需要拡大が見込まれる半導体を成長領域の一つと位置付け、フォトレジストや半導体用ケミカル、化合物半導体などについて積極的に投資を行っている。住友化学は、引き続き、次世代通信技術の普及やAI・自動運転などのスマート社会の実現に欠かせない半導体産業の発展に貢献していく。

<東友ファインケムの概要>
名称:東友ファインケム株式会社
所在地 :大韓民国京畿道平澤市
代表者:李 種燦(イ・ジョンチャン)※
設立年月:1991年12月
事業内容:半導体用プロセスケミカル、フォトレジスト、光学機能性フィルム、タッチセンサー等の製造、販売
持株比率:住友化学 100%
※  住友化学株式会社 執行役員

<用地取得の概要>
所在地 :大韓民国益山市
面積:約100千m2
取得時期:2024年度下期

<新研究開発センターの概要>
所在地 :大韓民国城南市板橋テクノバレー
運営開始時期:2024年度下期
配置予定人数:約150名

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