三菱重工グループは7月16日、米国の総合エネルギー企業エンタジー(Entergy Corporation)と、ガスタービン・コンバインドサイクル(GTCC)発電とCO2回収・貯留(CCS)を組み合わせた低炭素電源の普及に向け、戦略的パートナーシップに関する覚書(MOU)を締結したと発表した。三菱重工グループの米国三菱重工業(Mitsubishi Heavy Industries America=MHIA)および三菱パワーアメリカ(Mitsubishi Power Americas)が連携し、米国市場でGTCC+CCSの統合ソリューションの実用化・商用展開を推進する。
今回のMOUは、エンタジーの発電所へのCCS導入を視野に入れ、信頼性と経済性を両立した低炭素電力の供給を目指すもの。将来的にはGTCCとCCSを組み合わせたシステム全体のコストを50%削減することを目標に掲げている。
三菱重工グループは、高効率GTCC発電設備とCO2回収技術の双方を自社グループ内で提供できる数少ない企業であり、発電設備からCO2回収までを一体で最適化できることが強み。一方、エンタジーは事業エリアが米国内最大級のCO2パイプライン網に近接しているほか、回収したCO2を恒久的に地下貯留するのに適した地質条件を有しており、CCS事業の展開に有利な環境を備えている。
両社はこれまでも発電システム分野で協力関係を築いてきたほか、近年はCO2回収技術でも連携を進めてきた。今回のMOUにより、GTCCとCCSを統合した脱炭素ソリューションの導入を本格化し、米国市場における先行モデルの構築を目指す。
エンタジーのキンバリー・クック=ネルソン(Kimberly Cook-Nelson)COOは、「顧客と地域社会が求める信頼性が高く低コストなクリーン電力の提供に向け、三菱重工グループとの強固なパートナーシップをさらに発展させたい」とコメントした。
また、三菱パワーアメリカのビル・ニューサム(Bill Newsom)社長兼CEOは、「脱炭素化の実現には革新的な技術だけでなく、商業的に成立させるための強固なパートナーシップが不可欠だ。両社の知見を結集し、GTCCとCCSを統合したソリューションの商用化を加速させる」と述べた。
さらに、MHIAエンジニアド・システム事業部の吉田裕輔事業部長は、「三菱重工のCO2回収技術は大規模展開に対応できる技術として確立されている。今回の協業は、商業的に成立する脱炭素ソリューションの提供を加速する重要な取り組みとなる」としている。
電力需要の増加と脱炭素化の両立が世界的な課題となる中、天然ガス火力の高効率化とCCSを組み合わせた低炭素電源は、有力な選択肢として注目されている。三菱重工グループとエンタジーは、それぞれの技術・事業基盤を生かし、米国でのCCS普及と電力分野の脱炭素化を推進するとともに、エネルギー業界全体の長期的なコスト低減にも貢献していく方針。
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