大塚製薬工場(徳島県鳴門市)は7月10日、米国における輸液製品事業の合弁会社であるオーツカICUメディカル(Otsuka ICU Medical LLC、OIM)が、米テキサス州オースティンの製造拠点で大規模な生産能力拡張計画を推進すると発表した。総投資額は5億米ドル(約810億円、162円換算)超に上り、新施設建設と既存設備の改良を通じて北米市場向け輸液製品の安定供給体制強化を図る。
計画では、OIMが保有するオースティン製造拠点内に約50万平方フィート(約4万6,000平方メートル)の新施設を建設するほか、既存施設の改修も実施する。これにより、北米市場における輸液製品の長期的な供給能力を高めるとともに、DEHPフリー輸液容器への対応を含む製品開発体制を強化する。
北米の輸液市場では、近年の自然災害やインフラ制約などによるサプライチェーンの混乱を背景に、医療機関や流通網における安定供給の重要性が増している。また、医療分野では規制強化を受け、可塑剤DEHP(フタル酸ジ-2-エチルヘキシル)を使用しない輸液容器への切り替え需要も高まっている。
今回の設備投資は、こうした市場環境の変化に対応するもので、供給安定性向上と製品ラインアップ拡充を同時に進める戦略的プロジェクトとして位置付けられる。
OIMは2025年5月、大塚製薬工場の米国子会社オーツカ・ファーマシューティカル・ファクトリー・アメリカ(Otsuka Pharmaceutical Factory America, Inc.)と、医療機器・輸液メーカーのICUメディカル(ICU Medical, Inc.)が設立した合弁会社。今回の投資は、同社が推進する北米輸液事業強化策の中核案件の一つとなる。
大塚製薬工場は、長年培ってきた輸液容器の開発技術や製造品質管理のノウハウを活用し、OIMによる北米市場向け製品の開発・供給体制強化を支援する方針である。
■プロジェクト概要
- 事業主体:オーツカICUメディカル(Otsuka ICU Medical LLC)
- 所在地:米国テキサス州オースティン
- 投資額:5億米ドル(約810億円、162円換算)超
- 事業内容:輸液製品製造能力拡張
- 主な工事内容:新施設建設(約50万平方フィート)、既存施設改良
- 目的:北米市場向け輸液製品の供給安定化、DEHPフリー輸液容器対応強化
- 位置付け:北米輸液事業強化に向けた中核プロジェクトの一つ
- 効果:供給能力増強、製品開発力向上、サプライチェーン強靱化への貢献