川崎重工、明石市の新ごみ処理施設整備・運営事業を受注、663億円超のDBO方式、2031年供用開始へ

川崎重工業は7月9日、兵庫県明石市が発注した「明石市新ごみ処理施設整備・運営事業」を受注したと発表した。契約金額は663億6,421万円(税込)。設計・建設・運営を一括で担うDBO(Design、Build、Operate)方式を採用し、設計・施工を5年間、施設運営を20年間実施する。2031年4月の供用開始を予定している。

新施設は既存ごみ処理施設の隣接地に整備され、ごみ焼却施設と資源リサイクル施設で構成される。環境負荷の低減やエネルギーの有効利用、AIを活用した運営効率化などを盛り込み、地域の循環型社会と脱炭素化の推進を目指す。

ごみ焼却施設には、川崎重工独自の改良型自動燃焼制御「Smart-ACC®」を搭載した並行流焼却炉を採用。AIによる運転支援システム、高温高圧ボイラ、抽気復水式蒸気タービンを組み合わせることで、ごみ処理の安定化と発電効率の向上を図る。

発電設備は7,870kWの蒸気タービン発電機1基を設置し、一般家庭約1万1,800世帯分の年間使用量に相当する余剰電力を創出する計画。自営線や自己託送を活用して市内公共施設へ電力を供給し、地域内でのエネルギー利用を促進する。

また、ごみ焼却施設には遠隔監視・運転支援システム「KEEPER」を導入。施設から離れたサポートセンターで熟練技術者が運転状況を監視・支援することで、運営の効率化と安定稼働を実現する。

資源リサイクル施設では、AI搭載の資源ごみ選別支援システム「K-Repros®」を導入する。AIがびんの色を自動判別し、協働ロボットと高速パラレルピッキングロボットを組み合わせることで選別作業を自動化。作業負荷の軽減や人材不足への対応、安全な作業環境の構築に貢献する。

さらに、AIによるX線画像解析を用いたリチウムイオン電池検出システムを導入し、電池混入による火災リスクを低減することで、ごみ処理施設の安全性向上を図る。

設計・建設は川崎重工と村本建設による特定建設工事共同企業体が担当し、運営は川崎重工、カワサキグリーンテック、TMCが出資する特別目的会社(SPC)「グリーンパーク明石」が担う。

川崎重工は、ストーカ式焼却炉をはじめとする廃棄物処理技術を半世紀以上にわたり国内で展開してきた実績を持つ。同社は今回の事業を通じて、明石市が掲げる「環境保全」「安全・安心・安定処理」「災害廃棄物への対応」「経済性・効率性」の4つの基本方針の実現を支援するとともに、サーキュラーエコノミーの推進とカーボンニュートラル社会の実現に貢献していくとしている。

■事業概要
事業名:明石市新ごみ処理施設整備・運営事業
発注者:兵庫県明石市
契約金額:663億6,421万円(税込)

■建設事業

  • 受注者:川重・村本特定建設工事共同企業体
  • 建設地:兵庫県明石市大久保町松陰1131番地ほか
  • 焼却施設:ストーカ式焼却炉 276t/日(138t/24時間×2炉)
  • 発電設備:蒸気タービン発電機 7,870kW×1基
  • 資源リサイクル施設:破砕系25t/5時間、缶・びん・PETボトル16t/5時間、プラスチック類14t/5時間
  • 完工予定:2031年7月31日(供用開始は2031年4月予定)

■運営事業

  • 運営会社:グリーンパーク明石株式会社
  • 構成企業:川崎重工業、カワサキグリーンテック、TMC
  • 運営期間:2031年4月1日~2051年3月31日(20年間)

ニュースリリース