西松建設、山岳トンネル用ホイールローダの自動運転を高度化、LiDARで最適ルートを自律生成

・完全無人・自動化施工へ前進

西松建設は7月16日、山岳トンネル工事のずり出し作業で使用するホイールローダについて、走行ルートを自律的に判断・生成する自動運転システムを開発したと発表した。LiDAR(ライダー)センサを活用して重機の自己位置や切羽(きりは)のずり、クラッシャの位置をリアルタイムで認識し、その都度最適な走行経路を生成することで、従来必要だったオペレータによるルート選択を不要とした。山岳トンネル施工の完全無人化・完全自動化に向けた取り組みを一段と前進させる。

同社は、重機の遠隔操作や自動運転を中核とする無人化・自動化施工システム「Tunnel RemOS(トンネル リモス)」を開発しており、2025年にはホイールローダによる切羽での積込みから最大約100メートル後方のクラッシャまでの運搬・投入までを自動化するシステムを実証している。

一方、従来システムでは、あらかじめ設定した複数の走行ルートの中からオペレータが最適なルートを選択する必要があり、事前設定や運用時の負担が課題となっていた。

今回開発したシステムでは、ホイールローダに搭載したLiDARセンサが自己位置を高精度に把握するとともに、切羽のずりやクラッシャの位置情報を取得し、作業状況に応じて最適な走行ルートを瞬時に自律生成する。動作のたびに経路を再計算するため、刻々と変化する切羽の状況にも柔軟に対応できる。

これにより、事前のルート設定やオペレータによる経路選択が不要となり、待機時間を削減するとともに、ずり出し作業の効率向上を実現する。

また、走行ルート上のカーブや障害物に応じてアクセルやブレーキを自律制御する機能も搭載した。さらに、進入禁止エリアを設定すると、その区域を回避したルートを自動生成する機能も備え、他の建設機械との同時施工時の安全性向上にも対応する。

同社は今年度中に現場実証を実施し、実施工での有効性や課題を検証する計画。得られた知見を踏まえ、技術の高度化と実用化を進める。

「Tunnel RemOS」については、2027年度末までに複数の遠隔操作技術を統合し、切羽作業の無人化を実現する計画。さらに自動化技術の開発も並行して推進し、2030年度末には30%以上の省人化による生産性向上を目標としている。

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