川崎重工業は7月16日、富士通とフィジカルAI分野における事業検討を開始すると発表した。病院などヘルスケア分野を対象に、電子カルテなどの業務システムとロボット、AIを連携させた新たなソリューションの実現を目指し、人とロボットが協働する社会の実装を加速する。
両社は、富士通が開発を進めるフィジカルAI向け共通ソフトウェアプラットフォームとハードウェアインターフェースを活用し、病院内の業務システムとロボットを連携させる仕組みを検討する。病院システムからの指示に基づいてロボットが自律的に作業計画を立案・実行し、医薬品や検体の院内搬送の自動化、外来患者の受付・案内サービスのAIエージェント化などの実現を目指す。
富士通は、ロボットや設備、AIを統合する共通基盤を開発し、将来的にはオープンプラットフォームとして提供する構想を掲げる。今回の川崎重工との協業に加え、ファナック、安川電機とも事業検討を開始しており、幅広い産業分野へのフィジカルAIの展開を視野に入れる。
川崎重工は2026年5月、米国シリコンバレーにフィジカルAI開発拠点「Kawasaki Physical AI Center San Jose」を開設。富士通のほか、NVIDIA、Microsoft、Analog Devicesなどと連携し、来院から診察、治療、手術、術後ケアまでを一貫して支援する「病院ワンストップソリューション」の構築を進めている。
また同社は、NVIDIA Cosmos技術を活用したオープンワールドモデルの開発を推進する「NVIDIA Cosmos Coalition」への参画意思も表明。工場や物流、建設、農業、病院など幅広い分野でフィジカルAIシステムの事前検証・最適化を可能にし、開発期間の短縮につなげる考えだ。
富士通の時田隆仁社長CEOは「川崎重工のロボティクス技術と現場知見、当社のコンピューティング技術・ソフトウェア開発力を融合し、医療・介護分野で新たな価値を創出する」とコメント。病院や介護施設におけるオペレーション全体の最適化・自律化を目指す考えを示した。
川崎重工の橋本康彦社長執行役員は「ロボティクス技術と現場データ、富士通の高度なIT・デジタルプラットフォームを組み合わせることで、病院ワンストップソリューションを実現できると確信している」と述べ、医療・介護分野の課題解決と医療の質向上に貢献するソリューションを世界展開していく方針を示した。
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