日立エナジーは6月29日、イタリアの送電系統運用会社(テルナ)およびチュニジアの電力・ガス系統運用会社STEG(ステッグ)から、イタリアとチュニジアを結ぶ初のHVDC(高圧直流)海底ケーブル連系プロジェクト「Elmed(エルメド)」向け変換所の設計・供給・建設に関する約7億7,000万ユーロ(約1.432億円、186円換算)の契約を締結したと発表した。
この契約により、欧州と北アフリカを結ぶ歴史的な電力連系プロジェクトの主要調達プロセスが完了した。Elmedプロジェクトは、欧州連合(EU)が推進する「マッティ・プラン」の一環として位置づけられ、地中海地域の電力システム統合とエネルギー安全保障強化に大きく貢献するものと期待されている。
■プロジェクト概要
変換所はイタリア・シチリア州トラーパニ県のパルタンナと、チュニジア・ボン岬半島のムラービ(メンゼル・テミメ地域)に建設される。連系線の容量は600MW、総延長約220kmで、その大部分が海底ケーブルで構成され、シチリア海峡では最大水深約800メートルに達する。
日立エナジーは、HVDC Light®技術を中核とした先進的な交直変換所ソリューションを提供する。デジタル制御プラットフォーム「MACH™システム」、変圧器、高電圧開閉装置などを組み合わせ、系統解析から設計・エンジニアリング、製品供給、据付監督、試運転までを一貫して担当する。
共同事業体では、D’Agostino Costruzioni Generali S.p.A.がパルタンナ変換所の土木工事などを、Orascom Construction SAEがムラービ変換所の工事をそれぞれ担当する。
■戦略的意義
Elmedプロジェクトは、欧州のREPowerEU計画やイタリアの国家統合計画(PNIEC)、チュニジアの国家ビジョンとも連動し、以下の点を推進する:
- 再生可能エネルギーの大規模統合
- 国境を越えた電力市場の統合
- エネルギー供給源の多様化とエネルギー安全保障の強化
- 脱炭素化目標の達成
本プロジェクトの総投資額は14億2,000万ユーロ(約2,641億円)で、そのうち3億700万ユーロ(約571億円)は欧州委員会のConnecting Europe Facility(CEF)から拠出される。EUが非加盟国を含むプロジェクトに資金提供するのは今回が初めてであり、プロジェクトの重要性を象徴している。チュニジア側でも世界銀行、欧州投資銀行など複数の国際金融機関からの支援が予定されている。
日立エナジーは、世界最大級のHVDCプロジェクトで培った豊富な知見を活かし、欧州・地中海地域の電力システムの安全性・信頼性向上に貢献する方針だ。
(出典:日立エナジー公式プレスリリース)
■プロジェクト概要
- プロジェクト名:Elmed(エルメド)
- 受注企業:日立エナジー
- 発注者:Terna(イタリア)、STEG(チュニジア)
- 契約金額:約7億7,000万ユーロ(約1.432億円、186円換算)
- 容量:600MW
- 距離:約220km(大部分が海底ケーブル)
- 変換所所在地:イタリア・パルタンナ / チュニジア・ムラービ
- 主な特徴:欧州と北アフリカを結ぶ初のHVDC連系線
- 戦略的意義:再生可能エネルギー統合、エネルギー安全保障強化、EUのREPowerEU計画およびマッティ・プランへの貢献
このプロジェクトは、地中海地域における電力インフラの新時代を象徴する大型国際協力案件として、業界内外から注目を集めている。
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