コマツは6月19日、AI活用のグローバル展開を加速するための推進体制を強化し、開発・生産・販売・サービスにわたるバリューチェーン全体での本格活用に乗り出したと発表した。
同社はこれまで、機械稼働管理システム「Komtrax」、工場稼働状況可視化システム「KOM-MICS」、無人ダンプトラック運行システム(AHS)、スマートコンストラクションなどを通じ、ICTとデータ活用による価値創出を推進。これらの取り組みで蓄積した機械稼働データや施工データ、現場知見を競争力の源泉と位置付けている。
こうしたデータ資産を基盤に、各地域・事業での実証や活用事例の創出、グローバルでの知見共有を進め、AI基盤の整備と人材育成を強化してきた。今後はこれらの取り組みを一段と加速し、業務変革と顧客価値の向上につなげる。
同社は2023年度からグローバルでAI活用プロジェクトを推進。各地域とのワークショップや実践セッション、定期的な会議を通じて事例や課題の共有を進めてきた。その結果、現場での活用ノウハウが蓄積され、グローバル連携基盤の構築が進展している。
これを踏まえ、2027年以降のグローバルCoE(Center of Excellence)構築を視野に、全社的なAI活用をさらに加速する。日本においては2026年4月に安全かつ迅速なAI展開を担う中核機能を整備し、5月には約500人規模のAI推進リーダーを任命。現場課題の解決と成功事例の創出を通じ、グローバル展開の基盤強化を図る。また、AIリテラシー向上に加え、情報セキュリティやリスク管理体制の整備も継続する。
主な活用事例として、開発分野では生成AIを活用したコード理解や生成、レビュー、テスト作成により、開発効率と品質の向上を推進。生産分野ではKOM-MICSデータとAIを組み合わせ、異常検知による品質管理や予知保全、画像処理による現場のリアルタイムデジタル化を実現し、生産計画の最適化を進めている。
サービス分野では、マニュアルやサービス情報を横断検索可能なAIボットを導入し、自然言語での問い合わせに対応。日本、米国、欧州、豪州、中南米で活用を進めるほか、アジアや中近東、アフリカへの展開も開始した。さらに、Komtraxなどで蓄積した稼働データをAI分析し、部品寿命予測や故障検知、最適な整備時期の推定など、予知保全にも活用している。
同社はAIを単なる効率化手段ではなく、データと現場知見を価値へ転換する基盤と位置付ける。今回の体制強化により、AI活用を全社・グローバルで一段と拡大し、業務プロセスや製品・サービスの高度化を通じて顧客価値の向上と社会課題の解決への貢献を図る方針。
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