IHIは5月8日、連結子会社であるIHI物流産業システム(東京都江東区)の発行済株式80%を、豊田自動織機に譲渡すると発表した。株式譲渡は2027年4月1日を予定している。
■ 物流ソリューション市場の変化が背景に
IHI物流産業システムは、物流センター・倉庫向けにハード・ソフト両面の技術を組み合わせたロジスティクス効率化・省人化ソリューションを手掛ける総合物流メーカーだ。近年は新設案件の収益性改善やライフサイクルビジネスの拡大に取り組んできた一方、地政学リスクの高まりや働き方改革・労働人口減少への対応ニーズが急拡大し、業界競争が激化している。
こうした環境変化を踏まえ、IHIは事業の持続的成長に向けた戦略的オプションを検討。産業車両・物流ソリューション分野でグローバルに事業を展開し、自動化技術や M&A によって総合力を高めてきた豊田自動織機との間で協議を重ね、今回の株式譲渡に至った。
■ 段階的な持分移管で移行期間を確保
譲渡スキームは二段階構成。今回は80%(3,200株)を豊田自動織機に譲渡し、残る20%(800株)についてはIHIが5年間を目途に継続保有したうえで、その後に譲渡する方針だ。移行期間中もIHIが株主として一定の支援を継続し、円滑な事業移管を図る。
■ IHI物流産業システムの業績概要
対象会社の直近業績をみると、売上高は2023年3月期の300億円台から2025年3月期には328億円へと拡大。営業利益は同期間に6億円から20億円超へと大幅に改善しており、収益力の向上が鮮明だ。資本金は10億円、従業員数は616名(2026年3月末)。
■ 今後の業績への影響
IHIは本件取引に係る損益を2028年3月期に計上する見込みとしているが、金額は現在精査中。2027年3月期通期連結業績予想(売上収益1兆8,300億円、営業利益2,400億円)への影響は軽微としている。
両社のシナジー創出と継続的な成長投資を通じ、IHI物流産業システムが物流自動化・省人化市場でさらなる競争力を発揮できるか、業界の注目が集まる。