日本ロボット工業会は5月29日、東京プリンスホテルにおいて、2026年度通常総会・理事会を開催し、会長、副会長、専務理事の選任について審議、新会長には小川昌寛氏(安川電機 副会長執行役員)が選任され、前任の橋本康彦氏(川崎重工業社長)からバトンを引き継いだ。
画像は、総会後の懇親会で挨拶する小川昌寛新会長と来賓で挨拶する経済産業省製造産業局の田中一成 審議官。
■小川昌寛新会長の挨拶
先ほどの総会・理事会におきまして、2026年から27年度の日本ロボット工業会会長に就任することになりました安川電機の小川でございます。新役員一同、協会の規約と発展のため努力を重ねる所存ですので、皆様のより一層のご支援とご協力を賜りますよう、よろしくお願い申し上げます。
また、2026年度通常総会後の懇親会開催にあたり、経済産業省をはじめ関係諸機関の皆様、そして会員各位の多数のご出席をいただき熱くお礼申し上げます。そして、先ほど第14回会員従業員行動表彰において表彰を受けられました皆様に対して、改めて心よりお見舞い申し上げます。
さて、このところの世界情勢は、皆さんご存じの通り、あらゆるところから、不安定な状況が続いています。中東情勢を筆頭に、地政学的な分断や侵攻、そして貿易摩擦の再燃、部材の停滞、いろんなものが世界経済に影響するとともに、成長を減速する要因となり、インフレ圧力が再燃しています。
このような状況の中、昨年2025年度の我が国のロボット産業は、世界経済の諸リスクや米国関税政策の不透明化にも関わらず、昨年の実績は、受注額で対前年比25.7%増の1兆456億円、生産額は同じく21%増の9,452億円と、当初の見通しを大きく上回る結果となりました。
そして、本年のロボット市場は、現下でのイラン中東情勢における逼迫化によるエネルギー関連の供給不安や保護主義の拡大と懸念材料を見られる一方、世界的なフィジカルAIの関心の高まりによる半導体や電子機器等で大規模な投資による需要回復に加え、他産業でも根強い自動化投資需要や高市政権による政策効果もなども相まって、受注額は対前年比16.7%増の1兆2,200億円、そして生産高は同じく11.2%増の1兆500億円となることを期待しています。
このような中、当工業会は、事業活動の3つの柱である市場拡大に向けた取り組み、イノベーションの加速化、そして国際標準化の推進、国際協調・協力の推進を重点項目とし、業界活性化のさらなる推進に向けて活動を行うこととしています。
政府は、3月にAIロボティクス戦略を発表し、AIロボティクスを社会課題の解決、産業競争力の強化、経済安全保障への貢献、そして市場拡大を実現する横断的政策領域と位置づけ、その方向性を策定しました。
当ロボット工業会としては、本戦略の策定を好機と捉え、本年度事業として、AIロボティクス産業ネットワークの構築をテーマに政府及び関係機関とも密に情報交換とともに連携を取りながら、当会として取り組むべき具体的な課題についてスピード感を持って対応することとしています。
今年度の展示会事業として、6月10日から12日にかけて、実装プロテックプロセステクノロジー展を東京ビッグサイトで開催いたします。これに加え、12月2日から4日には、新たな第1回目の展示会として、RoboNext2026をインテックス大阪にて開催いたします。
本展は、AIロボティクスなど技術革新のスピードのに対応するため、最新テクノロジーの発信とともに、次世代を担うスタートアップ、ベンチャー企業や若手人材が集まる場をイメージし、ロボットをもっと身近に、そして未来をテーマに開催いたします。そして、AI ロボティクス戦略が打ち出されたタイミングでもあり、従来の産業用ごとにAIの実装がより進むような形での展示、商談ができるようにしていきたいと考えています。
これらの展示会を通じて、技術情報の発信とともに、様々な分野でのロボット利用拡大への意欲を喚起することに加え、市場調査、技術振興、標準化の推進等の各事業を意欲的に展開する所存です。
この機は間違いなく我々にとってチャンスです。この機を逃して、いつやるかぐらいの状況です。
いろんなチャレンジ、ぜひ皆様方と一緒になり、そしてこのロボット工業会がある意味先頭に立ちながら、このチームをより具体的な事業への発展に支援・サポートできていければというふうに思っています。
引き続き、政府当局のご指導、ご支援並び関係各位をはじめ関係の皆様の一層のご協力を重ねお願いしながらのご挨拶とします。
絶対に成功させましょう。頑張りましょう。今後ともよろしくお願いいたします。
■経済産業省製造産業局・田中一成 審議官のあいさつ
本日の総会において、橋本会長に代わり、小川副会長が新たに会長として選任されたとのこと。まずは、2024年から2年間、工業会を支え、また政府におけるAI ロボティクス戦略の策定に際しても多大なるお力添えをいただきました橋本前会長へ、心から敬意と感謝の意を表したいと思います。
そして、小川会長のご就任に対して心よりお祝いを申し上げるとともに、今後のロボット業界の発展を力強くいただくことを懸念いたしております。
昨今のこの国際情勢、会長からもございましたけども、ますます不確実性が増しております。特に中東情勢は毎日ニュースで報道されてます。
この中で、政府の役割は、エネルギー、原材料、そういったものの安定供給を確保していくと、それで国民生活や経済活動の影響を最小限にしていくとというのが我々の使命でございますが、そのために閣僚会議も毎日のように我々やっております。
これも何度も申し上げてますけども、この石油やナフサなどの石油化学製品、これ日本全体としてはこれ必要となるよう確保されております。一方で、供給の偏りや目詰まりがあることも事実です。この解決に向けまして、経済産業省はじめ政府としてこれ最大限取り組んでおります。
例えば、情報提供供窓口を設置しまして、様々な情報が寄せられます。その情報を集約した上で、水漏れ箇所を特定し、サプライチェーンの関係者に供給の見通しを提供します。需要側にも業界団体などを通じて通常量の購入を維持するよう要請します。こういった対応を通じて、目詰まりを1つずつ順次解消してきております。ぜひ、ここにいる皆様の中にもお困り事ございましたら、経済産業省までご相談いただければと思います。
こうした中でも高市政権では危機管理投資、成長投資、これを柱に強い経済の実現を目指しています。成長戦略では、17の戦略分野を中心に、大胆な設備投資、研究開発の促進、こういったことで官民の積極的な投資を引き出していきます。ぜひ、ここにいる皆様と一緒に、強靭で力強い経済を実現していきたいと考えております。
ロボット業界におかれましては、会長からもございました、昨年の受注額1兆円を超え、さらに本年度はさらに明るい見通しとお聞きいたしました。人手不足への対応や世界的な自動化需要、これますます拡大している中で、ロボット業界の皆様への期待は一層高まっております。
こうした中、世界的に急速に開発が進むフィジカルAIにより、ロボットのティーチレス化や多品種少量生産の現場における多様なタスク実現など、これまでロボットの活用が進まなかったロングテール領域でもロボットの活用が期待されております。こうした動向を踏まえ、政府としても、皆様からのご知見、ご協力いただいた上で、AI ロボティクス戦略を策定、公表いたしました。
本戦略では、AIロボティクス分野において、米中に並ぶ第3極として、世界シェア3割超の獲得を通じて、2040年に20兆円市場を獲得することを目標としております。もう1度言います。世界シェア3割超の獲得を通じて、2040年に20兆円の市場を獲得することを目標としております。
この目標を達成するためには、フィジカルの開発もさることながら、ここにいらっしゃるロボットメーカーの皆様、強みとしてこられた精密な制御技術、高い信頼性、安全性、そういったものを備えたハードウェア、さらにはAI、ロボット設備、人、業務プロセス、そういったものを最適に組み合わせるシステムインテグレーターの役割が極めて重要です。
政府といたしましては、工業会をじめとする関係の皆様と緊密に連携しながら、こうした現場の実態やニーズを踏まえた政策の具体化を進めてまいります。
先ほど会長の言葉をちょっと借りて申し上げれば、私自身も、省内の関係部署には、今やらずしていつやるんだという発破をかけております。ぜひ、そういった思いを我々官民で共有した上で、今申し上げた目標を実現していければと考えております。引き続き、忌憚のないご意見、ご提案を賜りますようお願い申し上げます。
最後となりますが、日本ロボット工業会と本日ご出席の皆様のますますのご健勝とさらなる発展を祈念いたしまして、私のご挨拶とさせていただきます。
以上
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