公益財団法人マザック財団(理事長:片瀬裕文)は5月26日、2025事業年度(2025年4月~2026年3月)の研究助成、優秀論文表彰および国際会議助成の対象を決定したと発表した。工作機械を中心とした高度生産システム分野の研究開発を推進する同財団の支援事業として、今回も多くの優れた研究・論文が選ばれた。
発表によると、2025年9月1日から11月30日までの募集期間に大学・研究機関などから応募があった中から、厳正な審査を経て研究助成21件、優秀論文表彰18件、国際会議助成3件の計42件を選定。総支援額は1,650万円に上る。
■研究助成では21件を採択
申請総数39件の中から21件が採択された。代表例として、東京大学准教授・道畑正岐(ミチハタ マサキ)氏の研究が挙げられる。
研究テーマ:『プログラマブル光周波数コムと“点”ー“面”次元変換原理を用いた高精度空間位置計測原理の研究』
同研究は、パルス光を用いた三次元空間位置計測システムの開発を目指すもの。プログラマブル光周波数コムを開発し、測定光と参照光に分岐して高精度な角度制御と位相比較により、吸収型ターゲットの三次元位置を高精度に計測する原理を構築する。工作機械をはじめとする精密位置決め技術への応用が期待される。
■優秀論文表彰で18件を表彰
申請総数23件から18件が選ばれた。優秀論文特別賞には、東京農工大学准教授・大和駿太郎(ヤマト シュンタロウ)氏の論文が選出された。
論文タイトル:『Cutting force reconstruction in milling by multi-sensor fusion with hybrid aid of process and data-driven models』
(日本語訳:プロセスモデルとデータ駆動型モデルをハイブリッドに活用するマルチセンサー融合のミリング加工切削力再構築)
同論文は、従来の機械学習による切削力推定で課題となっていた大量の教師データ必要性を克服するため、切削シミュレータを活用したハイブリッドモデルを提案。複数センサーのデータを融合することで、限られた学習データでも高い汎用性とロバスト性を確保できる手法を実証した。小型マシニングセンタでの実験によりその有効性を確認しており、加工現場での切削力モニタリング技術の進化に寄与する内容として高く評価された。
■国際会議助成は3件を支援
申請4件の中から3件が採択され、国際的な技術交流の促進を図る。
■マザック財団の概要
マザック財団は、ヤマザキマザック株式会社の基金により1981年8月に設立(旧名称:高度生産システム振興財団)。1998年に現名称に改称し、2012年に公益財団法人へ移行した。工作機械を中心とした高度生産システムに関する研究開発の支援と国際技術交流を通じて、機械産業の発展に貢献することを目的としている。
2025事業年度の活動実績は研究助成21件(1,300万円)、優秀論文表彰18件(220万円)、国際会議助成3件(130万円)の合計42件・1,650万円となった。創設以来の累計では研究助成698件など、総額約6億9,380万円の支援実績を積み上げている。
マザック財団は今後も、機械加工技術や生産システム分野の基礎研究から実用化研究まで幅広く支援し、日本のものづくり競争力強化に貢献していく方針。
お問い合わせ
ヤマザキマザック株式会社 人事・総務部 広報課
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