・高品質鋼材向け生産能力を強化
プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)は5月21日、中国東部の鉄鋼メーカー向けに、5ストランドブルーム連続鋳造機の包括的な更新工事を受注したと発表した。200トン級の引抜矯正装置(WSU)や追加ピンチロール、新たな二次冷却システムなどを導入し、高付加価値鋼材向けの品質向上と生産柔軟性強化を図る。稼働開始は2026年末を予定している。
今回の更新では、各ピンチロール当たり200トンの圧下力を持つ新型WSUを導入する。従来設備の130トンから大幅に能力を高めることで、ストランド内部の支持性能を改善し、ブルーム内部品質を向上させる。また、ピンチロール数を従来の9基から11基へ増設。ロールピッチを縮小することで圧下力をより均一に分散できるようになり、ストランド支持性能やソフトリダクション精度を高める。
さらに、ソフトリダクション適用範囲を拡大し、鋼種や操業条件に応じた柔軟なプロセス制御を実現する。
二次冷却システムについては、より広い鋳造速度範囲に対応する新たな冷却コンセプトを採用。ストランド温度を高く維持しながら高精度な制御を行うことで、ブルーム品質をさらに高める。
設備には、プライメタルズ独自の「ダイナフェーズ(DynaPhase)」「ダイナックス3D(Dynacs 3D)」「ダイナギャップ ソフトリダクション3D(DynaGap Soft Reduction 3D)」を搭載する。これらのシステムは、熱伝導率、密度、ストランド温度などの熱力学的データをリアルタイムで解析し、最適な二次冷却やソフトリダクション制御を行う先進技術。新型電磁撹拌装置との組み合わせにより、偏析指数最大1.05を実現し、高度な内部品質を確保する。
更新後の設備は、ベアリング鋼、高強度ばね鋼、高炭素ワイヤ向け鋼材など、高難度用途向け鋼種の生産能力を大幅に向上させる。橋梁用ワイヤロープ、タイヤコード、冷間圧造リベット向け素材などの高品質ブルーム製造にも対応する。
■プロジェクト概要
案件名:5ストランドブルーム連続鋳造機更新工事
受注企業:プライメタルズ テクノロジーズ(Primetals Technologies)
納入先:中国東部の鉄鋼メーカー
稼働開始予定:2026年末
年間生産能力:120万トン
ブルーム断面寸法:300×390ミリメートル
主な更新内容:200トン級WSU導入、ピンチロール増設、新二次冷却システム、ソフトリダクション機能強化
搭載技術:ダイナフェーズ(DynaPhase)、ダイナックス3D(Dynacs 3D)、ダイナギャップ ソフトリダクション3D(DynaGap Soft Reduction 3D)
対応鋼種:橋梁ケーブル用鋼、ベアリング鋼、硬鋼線、ばね鋼、冷間圧造用鋼などの中炭素鋼・高炭素鋼
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