ABB、Alcemyと提携しセメント生産にAI品質管理を導入へ

・予測技術と自動化の融合で品質向上と脱炭素を両立

ABB:2026年4月29日

ABBは4月29日、産業脱炭素化を手がけるアルセミー(Alcemy)と、セメントおよびコンクリートの品質をAIで予測・最適化する取り組みに関する覚書(MoU)を締結したと発表した。両社の協業により、品質の安定化と生産効率の向上を図るとともに、セメント製造におけるCO₂排出削減を目指す。

今回の取り組みは、ABBの自動化およびプロセス制御技術と、アルセミーのAI・機械学習(ML)に基づく品質予測技術を組み合わせる点が特徴。プラント運転に予測的な品質インサイトを組み込むことで、プロセス最適化と排出削減の両立を図る。

具体的には、アルセミーのソリューションがABBのデータ管理基盤「ABBナレッジマネージャー(ABB Knowledge Manager)」からプロセスおよび品質データを取得し、機械学習モデルで解析。その結果を最適な設定値としてABBの最適化ソフト「ABBアビリティ・エキスパートオプティマイザー(ABB Ability™ Expert Optimizer)」にフィードバックする。こうしたクローズドループ制御により、製品品質のばらつきを抑え、プラント全体の性能向上を図る。

生産パラメータの精緻な制御により、原材料やエネルギーの使用効率が向上し、プロセス変動の低減にも寄与する。両社は、データ活用とプロセス最適化の間に存在するギャップの解消を狙う。

ABBプロセスインダストリーズ部門セメント事業グローバルマネージャーのボディル・レッケ(Bodil Recke)氏は、「AIは今後のセメント生産における重要な推進要素になる。ABBの自動化・制御・最適化の知見と、アルセミーのAI技術を組み合わせることで、顧客のパフォーマンス向上と脱炭素目標の達成を支援する」とコメントした。

また、アルセミーの共同創業者兼CEOであるレオポルト・シュペナー(Leopold Spenner)氏は、「ABBとの連携により、予測品質インサイトを現場運用により近づけることが可能になる。セメント業界において、効率向上と環境負荷低減を両立しながら、より安定した品質の実現を目指す」と述べた。

両社は今後、技術面および商業面でのシナジーを検討する枠組みを構築し、セメントおよび生コンクリート市場向けの共同提案の開発も進める方針。

ABBは電動化および自動化分野のグローバルリーダーで、約140年の歴史と約11万人の従業員を擁する。産業の効率性・生産性・持続可能性の向上を支援する技術を提供している。オートメーション事業では約2万6,000人の従業員を有し、プロセス産業やハイブリッド産業、海事分野などに向けてデジタル化・電動化ソリューションを展開している。

ニュースリリース