カミンズ(Cummins Inc.):2026年5月5日
カミンズは5月5日、2026年1~3月期決算を発表した。データセンター向け非常用電源需要の拡大を背景に電源システム事業が過去最高の業績を記録し、売上高は前年同期比3%増となった。一方で、水素普及の遅れを受けた燃料電池事業売却に伴う費用計上が響き、最終利益は減益となった。
売上高は84億ドル(前年同期比3%増)。北米は6%減となったが、中国を中心とした需要増により海外売上が16%増加した。純利益は6億5,400万ドル(同21%減)、希薄化後1株利益は4.71ドル(前年同期5.96ドル)。低圧燃料電池事業の売却に関連する1億9,900万ドルの費用が含まれる。
EBITDAは13億ドル(同13%減)で、売上高比率は15.4%(前年同期17.9%)。同様に事業売却関連費用の影響を受けた。
ジェニファー・ラムジー(Jennifer Rumsey)会長兼CEOは「電源システム事業の記録的な業績に牽引され、力強い四半期となった。データセンター向けバックアップ電源需要は引き続き強く、北米トラック市場も底打ちから改善し始めている」と述べた。また、水素関連については「普及見通しの下方修正を踏まえ、アクセレラ事業の投資集中と損失削減を進める」とした。
■通期見通しを上方修正
2026年通期の売上高は前年比8~11%増へと引き上げた。北米オンハイウェイ市場や発電需要の強さを織り込んだ。EBITDA率は17.75~18.50%を見込む(従来17.0~18.0%)。同社は営業キャッシュフローの50%を株主還元に充てる方針も維持する。
■事業別動向
エンジン事業は売上高27億ドル(4%減)。米国の中・大型トラック需要低迷の影響で北米が減少した一方、中国の建機需要増で海外は伸長した。
コンポーネント事業は25億ドル(5%減)。北米のトラック需要減が影響したが、中国・ブラジルで補った。
ディストリビューション事業は31億ドル(7%増)。データセンター向けを中心とした発電機需要が伸長。
電源システム事業は20億ドル(19%増)と大幅増収で、EBITDA率は29.5%に達した。北米、中国、アジア太平洋でのデータセンター向け需要が牽引した。
アクセレラ事業は売上高1億100万ドル(2%減)、EBITDAは2億7700万ドルの損失。燃料電池事業売却関連費用が影響した。
■主なトピックス
マック・トラックス(Mack Trucks)はカミンズ製「X10」エンジンを職業用トラック「グラナイト(Granite)」に採用した。
また、ルンディン・マイニング(Lundin Mining)がチリで運営するカセロネス鉱山において、世界初となる商用ハイブリッド電動超大型鉱山トラックを実運用に投入。コマツ(Komatsu)製300トン級ダンプに同社の「ファーストモード(First Mode)」技術を適用した。
さらに、倫理企業評価のエシスフィア(Ethisphere)による「世界で最も倫理的な企業」に選出されるなど、各種評価も獲得した。
同社は、エネルギー転換戦略「デスティネーション・ゼロ(Destination Zero)」のもと、発電やハイブリッド技術など現実的な低炭素ソリューションへの投資を進める一方、水素関連は選択と集中を強める方針。
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