三菱重工、仏EDF向け取替用蒸気発生器3基の納入を完了

・フランス原子力規制当局の認証を取得、残り6基は2028年以降に納入

三菱重工業は10月15日、フランス電力(EDF:Électricité de France)から受注したフランス国内の原子力発電所向け取替用蒸気発生器(SG:Steam Generator)3基の納入を完了したと発表した。これらの取替用SGは2024年1月に神戸造船所(神戸市兵庫区)で製造を終え、2026年2月末にフランス原子力規制当局が定める厳格な規制認証を取得した機器で、その後フランスへ輸送された。EDFからは計9基を受注しており、残りの6基についても順次、神戸造船所で製造を進め、2028年以降に納入する予定。

今回納入した取替用SGは、出力90万kWの加圧水型(PWR:Pressurized Water Reactor)原子力発電所向けに、三菱重工とオネ・テクノロジーズ(Onet Technologies)が共同で2019年に受注したもの。フランス南東部アルデシュ県に位置するクルアス(Cruas)原子力発電所2号機に据え付けられる予定である。

SGは、原子炉で発生させた熱を1次冷却系(原子炉系)から2次冷却系(タービン系)に伝え、水蒸気でタービンを駆動させるPWRプラントの重要機器の一つ。低合金鋼製の耐圧容器の内部に、耐食性の高いTT690合金製の伝熱管約4,500本が挿入されており、高さ約21m、総重量約330トンに達する。

三菱重工は今回納入した3基を除き、EDF向けに2005年から累計15基の取替用SGを納入している。EDFはフランス国内で57基のPWRプラントを運転する世界最大級の発電事業者で、1980年代に稼働したPWRプラントについて、フランス政府の方針に沿った40年超の運転も見据え、SGの取り替えを順次進めている。フランスの原子力規制要求が厳格化する中、規制に適合した取替用SGを問題なく納入できたことで、同社の技術力、品質、信頼性、フランスの規格・規制に対する適応能力が高く評価されたことが証明された。

同社はフランス、ベルギー、米国などに累計30基以上の取替用SGを納入した実績がある。さらに日本国内での新設および取り替えの実績を合わせたSGの受注は累計130基以上に上り、国内外のPWRプラントの長寿命化や、安全性・経済性の向上に貢献している。

カーボンニュートラル、エネルギーセキュリティの観点から、世界各国での原子力活用ニーズは高まっている。三菱重工は今後も、高い信頼性が求められる製品を、国内ならびにフランスをはじめとする海外の原子力市場へ納入することで、原子力発電の安全・安定運転に貢献していく。また、今回の取替用SGの製造を通じて、原子力発電プラントメーカーとして長年培ってきた総合技術力を次世代に継承し、高品質な機器を神戸から世界へ継続して供給していく方針。

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