IHI、26年4〜9月売上収益は9.2%増の7,793億円、不動産売却益と航空エンジン好調で最終益52%増

・増収増益、第2四半期として過去最高益、通期予想を上方修正

IHIが11月4日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)の連結決算は、売上収益が前年同期比9.2%増の7,793億円、営業利益が同65.6%増の1,149億円となった。税引前中間利益は同64.3%増の1,227億円、親会社の所有者に帰属する中間利益は同52.0%増の849億円と大幅な増益で、第2四半期としては過去最高益を達成した。

基本的1株当たり中間利益は80円17銭で、前年同期の52円76銭から増加した。なお、同社は2025年10月1日付で普通株式1株につき7株の割合で株式分割を実施しており、前年同期の1株当たり利益も分割後の株式数で算出している。

売上収益は、前期に複数の事業を譲渡した影響で180億円の減収要因があったものの、民間向け航空エンジンの516億円増を中心に、防衛で110億円増、原子力で58億円増、安定収益事業で152億円増と、事業の拡大による増収が836億円に達した。

営業利益は、民間向け航空エンジンの需要拡大、国内カーボンソリューション・原動機のライフサイクルビジネス拡大に加え、不動産売却益426億円(前年同期は38億円)の計上により、455億円の増益となった。不動産売却益を除く営業利益は723億円で67億円増。為替影響や事業譲渡損益などの一時要因を除いた実力ベースの営業利益は707億円と、前年同期から186億円増加した。

税引前中間利益は、持分法投資利益の増加などにより480億円増の1,227億円となり、親会社の所有者に帰属する中間利益は290億円増の849億円に達した。

一方、受注高は前年同期比12.8%減の7,787億円となった。防衛や民間向け航空エンジンは大きく拡大したが、資源・エネルギー・環境で前期の大型案件の反動があった。営業キャッシュ・フローは運転資本の増加などで650億円の支出超過(前年同期は571億円の支出超過)となった。

■ セグメント別業績
セグメント別では、航空・宇宙・防衛事業が売上収益3,348億円で前年同期比22.3%増、営業利益は722億円で同32.0%増と、民間向け航空エンジンのアフターマーケット事業の成長を背景に収益の柱としての存在感を高めた。受注高も3,314億円で22.6%増となった。資源・エネルギー・環境事業は売上収益が1,787億円で同12.3%増、営業損益は7億円の黒字(前年同期は1億円の損失)に転じた。ただし、海外子会社の事業構造改革費用140億円を計上している。産業システム・汎用機械事業は売上収益2,105億円で同0.5%増、営業利益は114億円で同33.0%減となった。社会基盤事業は売上収益393億円で同33.6%減、営業損益は44億円の損失だった。その他は不動産売却益などにより、営業利益が457億円(前年同期は68億円)となった。

■ 事業ポートフォリオ改革を推進

同社は成長領域への経営資源のシフトを加速している。9月28日にはカーボンソリューション事業のドイツ子会社Steinmüller Engineering GmbHの全持分をMutares SE & Co. KGaAの完全子会社に譲渡することを決議し、10月15日に譲渡を完了した。これに伴う譲渡損失見込み127億円をその他の費用に計上している。また9月17日には熱・表面処理事業の欧州子会社IHI VTN GmbHの譲渡も完了した。さらに5月には、物流・産業システム事業を担うIHI物流産業システムの株式を豊田自動織機に譲渡する契約を締結しており、2027年4月に発行済み株式の80%を譲渡する予定。前中期経営計画で計画していた事業構造改革は完遂したとしている。

なお、連結子会社のIHIエアロスペースは6月、JAXAとの機材装置の保全業務に関する契約で事実と異なる報告に基づく費用請求が確認されたとして、5か月間の競争参加資格停止処分を受けたが、11月1日をもって終了した。

財政状態については、総資産が前期末比1,124億円増の2兆5,409億円となった。棚卸資産が864億円増加した一方、現金及び現金同等物は180億円減少し1,370億円となった。有利子負債残高はリース負債を含めて5,632億円と733億円増加した。親会社所有者帰属持分比率は前期末の26.9%から28.4%に改善した。10月28日には日本格付研究所(JCR)が発行体格付を「A」から「A+」に引き上げている。

■通期の連結業績予想

通期の連結業績予想については、民間向け航空エンジン事業やライフサイクルビジネスの実績を踏まえ、8月公表時から上方修正した。売上収益は1兆8,800億円(前期比14.4%増、前回予想比400億円増)、営業利益は2,700億円(同63.1%増、同200億円増)、税引前利益は2,600億円(同40.2%増、同200億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は1,850億円(同14.9%増、同130億円増)とした。受注高は1兆8,900億円を見込む。基本的1株当たり当期利益は173円88銭の見通し。下期の前提為替レートは1米ドル=150円。営業利益には、下期見込み504億円を含む930億円の不動産売却益が織り込まれている。

配当については、中間配当を1株当たり11円50銭とし、期末配当予想は前回予想から2円増額の13円50銭とした。年間配当は25円となり、前期の20円から5円の増配となる見通し。

同社は今後も、民間向け航空エンジン・防衛・原子力といった成長事業へのキャパシティ拡充投資を進めるとともに、アンモニアや宇宙などの育成事業の強化を図り、2040年を見据えた飛躍的な成長を目指す方針。

IHIの2027年3月期第2四半期決算短信

第2四半期決算説明資料