カナデビアが11月5日に発表した2027年3月期第2四半期(中間期)の連結決算は、売上高が2,985億3,300万円と前年同期比11.5%増となり、営業損益は35億2,800万円の赤字(前年同期は77億8,100万円の赤字)、経常損益は10億9,500万円の赤字(同83億2,900万円の赤字)と、いずれも赤字幅が縮小した。親会社株主に帰属する中間純損益は50億4,700万円の黒字(同55億800万円の赤字)で、黒字転換を果たした。1株当たり中間純利益は30円00銭(同マイナス32円74銭)。受注高は4,167億4,500万円と前年同期比36%増加した。
増収の主因は環境部門で、海外子会社の売上増加が全体を押し上げた。営業損益は、売上高の増加や前年にあった一過性要因の剥落などで改善した。会社資料によると、営業利益の前年同期比の増減は、売上増加などで43億円、一過性要因の剥落で32億円、為替影響で2億円の改善要因となった一方、人件費の増加などによる販売管理費の増加が34億円の悪化要因となった。アブダビのごみ発電プラント工事が中東情勢の影響で約3カ月遅れたことによる費用も、当期の業績に織り込まれている。経常損益では、為替差益12億1,500万円(前年同期は18億9,300万円の為替差損)や持分法による投資利益14億4,200万円が寄与した。特別利益として、特殊バルブ事業の子会社株式譲渡益44億7,700万円と、全固体電池事業の譲渡益74億9,000万円の計119億6,700万円を計上した。一方、特別損失は、品質不適切行為関連費用14億7,900万円と事業構造改善費用10億2,700万円の計25億700万円だった。売上総利益率は16.5%と前年同期の14.6%から1.9ポイント改善した。
財政状態では、売上債権の回収が進み、総資産は前期末比239億3,900万円減の6,947億円となった。負債は同272億2,700万円減の4,880億1,100万円、純資産は同32億8,800万円増の2,066億8,800万円で、自己資本比率は27.4%から28.9%に上昇した。営業キャッシュ・フローは533億円の収入(前年同期は36億円の支出)で、有利子負債は約400億円減少した。
セグメント別では、主力の環境部門の売上高が2,572億4,700万円(前年同期は2,080億4,100万円で約23.7%増)、営業利益が1億9,800万円(同27億600万円の赤字)と黒字に転じた。国内環境事業の改善が寄与した。機械・インフラ部門は、子会社の売却により売上高が255億4,100万円(同285億4,800万円で約10.5%減)となり、営業損失は19億1,900万円(同23億8,800万円の赤字)と赤字幅が縮んだ。脱炭素化部門は、舶用原動機事業を営む子会社の連結除外などで売上高が134億6,000万円(同295億6,800万円で約54.5%減)と大幅に減ったが、営業損失は18億2,900万円(同29億5,600万円の赤字)に縮小した。その他部門は売上高が22億8,300万円(同15億5,500万円で約46.8%増)、営業利益は2,100万円(同2億2,300万円)だった。なお、同社は地域別の売上高や営業利益は開示していない。
2027年3月期通期の連結業績予想は、売上高6,400億円(前期比0.8%減)、営業利益230億円(同88.6%増)、経常利益220億円(同61.5%増)、親会社株主に帰属する当期純利益210億円(同88.6%増)、1株当たり当期純利益124円83銭とした。営業利益は、環境部門の採算悪化などを踏まえ、前回の2026年5月12日公表の255億円から25億円下方修正した。海外子会社イノバにおける一部案件の受注時期の遅れや工事の追加費用が要因で、売上高、経常利益、純利益は据え置いた。為替差損益の改善を見込むため、経常利益などは維持できると判断した。通期受注高の予想は8,400億円に据え置いた。配当予想に修正はなく、期末配当は38円(前期は25円)、中間配当は無配とした。
中長期の方針として、同社は持続的成長に向けた成長戦略を策定中で、次期中期経営計画を2027年春ごろに公表する予定だ。収益基盤を強くする事業の競争力向上、資本効率を高める経営改革、持続的成長を支える経営基盤の強化を重点課題に掲げている。事業ポートフォリオの見直しも進めており、6月に半導体向けバルブ子会社を、7月に全固体電池事業を譲渡した。9月にはイノバがオランダ企業からバイオメタンの事業資産の一部を取得し、10月には豪州子会社オスモフロが同国の水処理会社を買収した。受注残高は2兆4,604億円に積み上がっている。
なお、同社は連結子会社の売却や事業譲渡による特別利益が最終黒字の主因となっており、本業の営業損益は赤字が続いている。下期に売上が集中する季節性もあり、通期予想の達成には下期の大幅な利益積み上げが必要となる。