小松マテーレ、工場再編「factoRe100」第一弾としてナイロン専用工場を本社敷地内に新設

・投資額約80億円、2029年4月中稼働へ 5年後にナイロン事業売上160億円目指す

小松マテーレ(石川県能美市)は11月2日、今年5月に発表した工場再編プロジェクト「factoRe100(ファクトーレ100)」の第一弾として、ナイロン事業の拡大と高収益化に向けた専用工場を本社敷地内に新設すると発表した。投資額は約80億円で、2029年4月中の稼働を目指す。ナイロン事業の売上高は現在の約70億円から5年後に160億円規模への拡大を計画している。
同社は約70年にわたりナイロン生地の加工ノウハウを蓄積し、専用設備の技術開発を進めてきた。ナイロンならではのデザイン性・機能性・風合いを生かし、「コマツナイロン®」を国内だけでなく世界のプレミアム市場向けに再定義する方針。新工場には耐震性・環境負荷低減・省エネの観点から最新技術を導入する。

ナイロンは公定水分率が4.5%とポリエステル(0.4%)より高く、しっとりした感触を持つため、ラグジュアリーブランドの衣料やバッグに用いられる。一方で色・風合いの均一性や耐久性の保持には繊細な工程管理が必要で、同社は早くから専用技術と設備を整備してきた。北陸の織物技術をベースに、タスラン素材加工や天然素材のような風合いを生む「SY加工®」、独特のハリと軽さを持つ「KONBU®(コンブ)」などを組み合わせ、スポーツ用途ではコーティングやボンディングで防水性・透湿性を高め、国内外ブランドの要求に応えてきた。

世界のナイロン生産量は年間約240億㎡で、同社の約3,100万㎡は全体の0.13%程度にとどまる。生産量では中国が圧倒し、価格や付加価値ではイタリアが優位で、特にLimonta社は世界のラグジュアリーブランドに高級素材を供給している。国内では同社の多彩な加工技術により2025年度の国内シェアは約28%、衣料(ファッション・スポーツ)に限れば約49%に達する(同社試算)。2013年にはLimonta社と商品・サービスの相互提供と新商品開発を目的とした包括提携を締結し、現在も関係を維持している。

「factoRe100」は2043年の創業100周年を見据えた長期計画で、総工費300億円以上を見込む国内工場再編プロジェクト。強みである「中東向け民族衣装」「SY加工®」「高度で多彩なナイロン加工」での事業拡大と高収益化を狙い、加工基盤を整備する。

■新工場の主な特徴は次の通り。
・染色ライン増強:ジッガー染・液流染の増強によりコマツナイロン®の供給力を強化
・生産性・納期対応:生産・検査・倉庫の近接配置と省人化・自動化、DX活用で導線を円滑化し、多品種小ロット・短納期対応力を向上
・BCP強化:建屋の耐震性・耐久性を向上
・環境負荷の低減:再生可能エネルギーの導入と使用水のリサイクルプラントにより、リサイクル率70%を目指す
・環境対応・情報提供:GRS認証、ZDHC対応の素材履歴・製品安全性・工程管理を強化し、DPP対応、LCA導入、CFP算出など環境配慮への取り組みを開示・強化
「コマツナイロン®」「SY加工®」「KONBU®」は同社の登録商標。

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